月よお前が悪いから…のアーカイブ

http://d.hatena.ne.jp/artane/ がサーバの関係で消えるようなので、アーカイブします。基本更新しません。

前回の法改訂以前の時点から共謀罪とのセット化が行われていたことが実証される

保坂展人衆院議員(社民党)のブログより:


マンガ太郎の「表現規制」暴走は、なぜ?

教育・こども / 2009年06月27日

(略)
 ならば、物言えば唇寒し的な「規制ムード」に押し流されるべきではない。10年前、20年前の写真集や古雑誌などが「禁書指定」されて、『Santa Fe』レベルの写真集ですら、「持っていることは犯罪に問われる」というのは明らかに過剰な規制暴走である。本来なら、新聞・テレビは大きく取り上げ議論する必要がある。『Santa Fe』は、発売当時に新聞に全面広告を打ったことでも話題になった。これが児童ポルノであれば、全面広告を掲載している「新聞の縮刷版」も同様だとして焼却処分しなければならない。そんなバカなとタカをくくっているのがメディアの鈍感さだ。


 昨日の参考人質疑で、児童ポルノの規制の論議アメリカのFBI駐日代表も参加していたことが明らかになり、「児童ポルノの摘発のためには共謀罪が必要だという声もあると聞いているが」と前田雅英参考人に問うてみた。
 FBIの駐日代表の参加は認めたし、「アメリカに共謀罪があることもその通り」と答えるに止まったが、「児童ポルノ単純所持規制と共謀罪」の一見唐突な関係こそがすべて解きあかす鍵になるかもしれない。

銃の単純所持を野放しにしているアメリカは、兵器産業・戦争ビジネスの欲望が規制されない社会だった。イラクアフガニスタンパレスチナで地雷やクラスター爆弾が、どれだけ子どもたちを脅かしているかについて、ブッシュ政権はけっして敏感ではなかった。にもかかわらずシーファー駐日大使が、議員会館にまで来て、「児童ポルノ単純所持規制」の国会ロビー活動に乗り出すのはなぜかと疑問が解けないでいた。


 昨日判明したのは、「つくられた流れ」は変更可能だということだ。「言論・表現の自由」の原則を守れというのは、けっして少数派ではない。皆さんからの応援のメールも力づけてくれたし、ブログを書いている人はぜひトラックバックをしてほしい。その声はやがて力になり、乱暴な規制暴走を止めることが出来るはず。そう改めて思うのだ。

(1/7)さて、今回の法改正について一年少し前に組対法とセットであると喝破していた身としては複雑な心境…

スラッシュドット日本に、この問題についてトピック*1が上がった一年前の三月に、こういう書き込みを行っていました。

要は、児ポ法が制定されてからかなり早い時期から組対法とセットで運用される事が法務省内部では検討されていて、前回の児ポ法「見直し」の時点で既に、将来的には共謀罪とセットにして運用する事を法務省側が目論んでることをWEBに掲示されてる公文書から解き明かしてみたものです。


長いので、引用を7つに分割します。


http://slashdot.jp/comments.pl?sid=393285&threshold=1&commentsort=3&mode=thread&no_d2=1&pid=1312663

構想を話すだけで処罰される危険も(Re:おまえら、必死すぎ) (スコア:1)
Artane. (1042) : 2008年03月15日 23時03分 (#1313773)

流石に、リアルなチラシの裏にプロットとラフを書いた程度では机の中にしまっただけでは処罰されないですが、

今回の「改正」案( http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/youkou/g15901012.htm [shugiin.go.jp])では、

三 児童ポルノの製造等の禁止
  何人も、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、若しくは本邦から輸出し、又は二の1から3までのいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録を保管してはならないこと。(第六条の二関係)

*1: 「アニメ・漫画・ゲームでの子どもポルノの違法化を求める署名活動」 http://slashdot.jp/article.pl?sid=08/03/13/0713230

(2/7)

四 児童ポルノ提供等
 1 次に掲げる者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処すること。(第七条第一項から第三項まで関係)
  ア 児童ポルノを提供した者
  イ 電気通信回線を通じて二の1から3までのいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を提供した者
  ウ ア又はイに掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者
  エ ア又はイに掲げる行為の目的で、三の電磁的記録を保管した者
  オ ウに定めるもののほか、児童に二の1から3までのいずれかに掲げる姿態をとらせ、これを写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者
 2 次に掲げる者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科すること。(第七条第四項から第六項まで関係)
  ア 児童ポルノを不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者
  イ 電気通信回線を通じて二の1から3までのいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を不特定又は多数の者に提供した者
  ウ ア又はイに掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者
  エ ア又はイに掲げる行為の目的で、三の電磁的記録を保管した者
  オ ア又はイに掲げる行為の目的で、児童ポルノを外国に輸入し、又は外国から輸出した日本国民

(3/7)

五 その他の罰則の法定刑の引上げ
 1 児童買春
   児童買春罪の法定刑を、五年以下の懲役又は三百万円以下の罰金(現行三年以下の懲役又は百万円以下の罰金)に引き上げること。(第四条関係)
 2 児童買春周旋
  ア 児童買春周旋罪の法定刑を、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金(現行三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金)に引き上げることとし、これを併科することができることとすること。(第五条第一項関係)
  イ 児童買春周旋を業とする罪の法定刑を、七年以下の懲役及び千万円以下の罰金(現行五年以下の懲役及び五百万円以下の罰金)に引き上げること。(第五条第二項関係
 3 児童買春勧誘
  ア 児童買春勧誘罪の法定刑を、五年以下の懲役又は五百万円以下の罰金(現行三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金)に引き上げることとし、これを併科することができることとすること。(第六条第一項関係)
  イ 児童買春勧誘を業とする罪の法定刑を、七年以下の懲役及び千万円以下の罰金(現行五年以下の懲役及び五百万円以下の罰金)に引き上げること。(第六条第二項関係

(4/7)


となっています。
ここで気がついたのですが、この改正案、今でも燻っている共謀罪 http://www.moj.go.jp/HOUAN/KEIHO5/refer02.pdf [moj.go.jp](このPDF文書の13ページ目後半から、縦書きなので読みにくいかも)の適用対象に「児童ポルノ」の一部が最初からからなるように設定されています。

# 日弁連共謀罪案の問題を指摘しています http://www.nichibenren.or.jp/ja/special_theme/complicity.html [nichibenren.or.jp]ので、こちらが読みやすいかも

共謀罪が適用される法律名・罪名」 http://www1.neweb.ne.jp/wb/zinken/kyoubou.html [neweb.ne.jp]なる解説に整然と書いてありますが、共謀罪の適用対象を最高刑が懲役・禁固四年以上の犯罪としている事と、この改正案はダブる部分がかなり多いです。

つまりは、今の「改正」法案の第4条の2では(再度引用しますが)、以下のように最高刑が五年の懲役になります

(5/7)


2 次に掲げる者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科すること。(第七条第四項から第六項まで関係)
  ア 児童ポルノを不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者
  イ 電気通信回線を通じて二の1から3までのいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を不特定又は多数の者に提供した者
  ウ ア又はイに掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者
  エ ア又はイに掲げる行為の目的で、三の電磁的記録を保管した者
  オ ア又はイに掲げる行為の目的で、児童ポルノを外国に輸入し、又は外国から輸出した日本国民

さて、ここで共謀罪とのコンボが効いてくる訳です。
共謀罪の基本的な考え方として、「最高刑が懲役・禁固四年以上の刑罰にあたる犯罪を計画したり話し合った場合にはその関係者を懲役二年ないし五年以上の刑とする」。と言う「重要」犯罪を事前に阻止する名目で、非常に多くの犯罪とされる可能性のある事を話し合ったり論議する事自体を犯罪とする。自ら密告した者は免罪する。と言う事があります。

即ち、以下のような結論が出てくる訳です。

児童ポルノに相当するものを本などで頒布したりネットで見せようとして計画すること自体を共謀罪の適用範囲とすることを最初から目論んで罪刑を設定していないか

(6/7)


詰まりは、以下のようなシチュエーション自体が犯罪になり得ます。例えが古い上に男性向けの物だけを想定してるのはお許しを…やおいやBLでも同じような目に逢う危険が付きまとうことは強調しておきます。為念。

ある日の電話やチャット、オフ会での会話

A:「綾○、いいよねー」
B:「やっぱし、ゲン○ウとやっちゃってるよね」
A:「じゃぁ、綾○、どういうシチュエーションで初体験したんだろう」
(以下、AとBの妄想合戦)
B:「…ちょいと、内輪向けにエロパロ描いてみるか、勿論、回覧で…」



数日後、早朝にAとBの自宅のドアが叩かれる。
「警察です。児童ポルノ取り締まり法違反を共謀した容疑で家宅捜索します」
「このように、家宅捜索礼状をとってあります、あけなさい」
抵抗したけど、結局警察に家の中に入ってもらうハメに。

数十分後、Aの自宅から昔買った同人誌が見つかる。
その頃、Bの自宅から数日前に書くといっていた漫画のプロットが見つかる。

A、Bは児童ポルノ取り締まり法第四条二項に違反しているとして逮捕、同時に押収されたパソコンの中身や電話などでの会話記録から同罪を共謀した物的証拠があったとして、その共謀罪も立件される。

(7/7止)


日本の場合、起訴されなくても逮捕されただけで非常に大きな社会的な制裁を受けますし、起訴された場合の有罪率が99%以上と極めて高いですから、免罪を目論んで自ら、「こういう話し合いしてました」と「自首」する人も出てきますし、そうなるとその場に居合わせた人も共謀の容疑で逮捕される。

芋づる式に逮捕の範囲が広がっていく訳でして…とにかく、いつ共謀罪が再度国会に上程されるか読めない状況が続いていて、共謀罪を作る事自体を法務省刑事局や一部政治家は推し進めつづけていますから、それを視野に入れて今回の「見直し」の中身が決められた可能性が高い。

…これがどういう社会を作り上げるか、どういう犯罪が増えるかは他の方々が書かれてるので止めておきますが、このような大馬鹿な法案は初期の段階で芽を摘み取らないと、将来重罪化されたり恣意的な運用が乱用されたりしがちであることだけは書いておきます。

  • -

一回目の「見直し」から、既に罠は仕掛けられていた

同じスラッシュドット日本の同じトピックへの別レスとして書いた物から再録します。

(1/4)


http://slashdot.jp/comments.pl?sid=393285&cid=1314054

最初からリアルを被写体にした物だけが対象だと明記されていない。 (スコア:1)
Artane. (1042) : 2008年03月16日 21時50分 (#1314054) ホームページ


「児童」の定義はここに書かれてないだけでちゃんとある。
ここには「児童または児童と認識しうる何か」とは書かれてないから
今まで通りの「児童」の定義を踏襲する。


まずは認識の根幹部分がまったく違うので対話とかまともな議論のしようがない事を前提で書かざるを得ませんが
(中略)

現行法二条三項では、
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H11/H11HO052.html
(中略)
これが、「改正」案では、以下のように差し替えられます(再掲)

http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/youkou/g15901012.htm
二 児童ポルノの定義
(中略)

…定義は全く変わってはいません。が、現行法では児童ポルノが実存の人物の実体であると明確に限定されてもいない。
それが故に、いつでも「児童ポルノ」を架空の描写にも適用出来るような余地を残しつづけていて、ずっと混乱が続いている。

(2/4)


さて、もう一つ、一回目の見直しで附則が追加されまして、これが今回大騒ぎを起こしている最大の理由です。



附 則 (平成一六年六月一八日法律第一〇六号) 抄

組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の適用に関する経過措置)
第三条  犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律の施行の日がこの法律の施行の日後となる場合には、犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律の施行の日の前日までの間における組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号)別表第五十九号の規定の適用については、同号中「第七条(児童ポルノ頒布等)」とあるのは、「第七条第四項(児童ポルノ等の不特定又は多数の者に対する提供等)、第五項(児童ポルノ等の不特定又は多数の者に対する提供等の目的による製造等)若しくは第六項(児童ポルノの不特定又は多数の者に対する提供等の目的による外国への輸入等)」とする。

(3/4)


詰まりは、国際連携の名目で、いわゆる組織犯罪対策法(共謀罪を付加するかどうかで揉めつづけている)(Wikipediaでの解説)といわゆる「児童ポルノ・買春取り締まり法」とがリンクされた形で運用される為の「見直し」を行うことが規定路線である訳ですよ。

既に欧米諸国・特にアメリカやオーストラリア・ニュージーランドなどのアンゴロサクソン系の諸国では、日本で作られた絵やアニメなどの実在する人物の実体を使わない性描写や20代後半の成人の出演によるポルノグラフィーに関して、「これは児童ポルノであるから輸入(販売)できない」と行政当局から通告される事例が多発しています。

# 例えば、アニメ「ぷにぷに・ぽえみぃ」(2001,ワタナベシンイチ監督)がニュージーランドで販売禁止とされた事例に代表されますが。

(4/4止)


その「成果」(と言うか地ならし)として、
一つには自民党からの改定案が出て、
もう一つには日本ユニセフ協会エクパット東京などの団体からの派手なメディアアピールでの世論誘導やアメリカからの「外圧」を利用した形で批判封じを
行い始めて強引にでも法解釈を拡大しようとしている。と言うところから来ています。

# マスコミや外圧で誘導された世論が作った「空気」に反対の意志を世に出すことがどれだけ困難か、我々は身に染みてるはずですが
# …「郵政民営化」然り、「イラク人質事件」然り、そして「KY」なる言葉が蔓延ってることなどその最たるものではないかと。

つまりは、諸外国で既に「拡大解釈」が日常化してるのだから、日本だけが「拡大解釈」しないのはおかしい。と言うのが、今回の法改正推進側が「準児童ポルノ」なる言葉を持ち出してる最大の論拠なのですが
…現行法の今までの解釈や運用基準と今後の解釈や運用基準を変えよという、マスコミやアメリカを巻き込んだ形での組織的な圧力が一気にかかってきたから、大騒ぎになってるんですが…