NHKスペシャル「フリーター漂流」
評判を聞き再放送を見たのですが、この取材対象の業務請負会社って事実上の人材派遣会社ですね。
普通、複数での業務請負の場合は現場の請負側指揮者がいて請負先から割り振られた業務を指示することが原則で、営業が呼び出されて、直接請負先の指導に100%従うのは例外です。
こういうのは、「個人単位の請負者を派遣する」と言うのと同じであり、法律で禁止されている偽装請負の疑いが高いですね。
又、作業の実態を見るのですが*1、かなり酷い。
少しのトラブルで馘云々まで騒ぎが発展すると言うのは下請けや派遣ではよくあるとはいえ、会社が労働者の無知と弱味につけこんで「自主退職」扱いで解雇するのも良くあることとわかっていても立腹する。
しかも「請負会社」から来る賃金は労働に見合わず、人間らしい生活が出来なくなってみんな辞めていく。
「請負会社」の労働者=番組で言う所の「フリーター」に対しては労働基準法など何処吹く風。
「たくさんのタマを送り込むのが我々の仕事」と本音を憚らない「請負」会社の営業担当。
派遣業法や労働諸法の法律上の抜け穴をクリアしてるのでしょうが、こういう状況は社会的には糾弾されるべきでしょう。*2
又、振り返って製造業の側にしても、コストを重視して労働者に労働の質を求めず使い捨てにすることは「今の競争」に生き残ることは出来ても、将来・それも近い将来にノウハウの喪失や労働者からの信頼の喪失、そして何よりも消費者経済の急速な衰退という形でしっぺ返しが確実に来ます。
人材派遣・「人材請負」と言うのは、社会に取ってヘロインや覚醒剤のような過激で身体を蝕む類の麻薬みたいな物であると私は思う。