月よお前が悪いから…のアーカイブ

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「リッチ」な食の貧しき事よ-「地産地消」の薦め

件のルポの中に、こんな記述がありました。

(前略)
リッチたちは、自宅パーティもお好き。六本木ヒルズC棟の住人である、全出の年商40億円の女性起業家は、「先日も、有名力士にちゃんこ鍋を”手製”してもらいました。あと、たまに域つけのすし屋の職人を呼んで、自宅で握ってもらいます。3人前で25万円くらいかな」と語る。
もっとゴージャスな話となると、「2億円で購入したプライベートヘリを飛ばして、旬の物は現地に食べに行く。7月は”しろしたカレイ”を食べに大分に、8月は”ウニ”のために天草へ行ってきました」(同女性起業家)なのだとか。
(以下略)

非常に、この人の食生活に「貧しさ」を感じて止みません。
全てがブランドで、金で強引に高級品を食べて食通気取りか。
結局、この人に取って「食事」とはエルメスやヴィトンの鞄と変わらないのでしょう。
確かに、旬の物をおいしい所に食べにいくのは格段の御馳走です。
でも、それはブランド物では無く、田舎町のさりげない・そこで入手するのが容易な類の魚介類や山の恵み・そして何よりもふんだんにあるごくふつうの農作物の組合せによってしか味わえない物です。

このひとは、ブランドに囚われていて、自分の地元のたべもののおいしさを軽んじているように思えてならない。

たまの旅行で遠出してその場で食べるのが一番いい物を食べるのは、まさにごちそう。
滅多に入手できないものを店先で見付けて買ってきてて味わう、これも又ごちそう。

しかし、それと同時に、自分が暮らしている土地で容易に入手出来る農作物や魚介類を惜しみなく使い、天の恵みを活用することが真の御馳走では無いかと思います。

そういう意味で、地元の農業・漁業・畜産業を支援し、高品質の物を安く容易に入手出来る信頼関係を消費者である我々と生産者の間で作っていくことが必要では無いかと思います。

それを地元で生産したものを地元で消費するという意味で地産地消(ちさんちしょう)と呼びます

我々は、安ければよし。ブランドがあればよし。とスーパーなどの大手流通業者に依存してきた。
でも、それによって生産者と消費者の信頼関係はズタズタになってしまった。

大都会だと町単位や市単位で関係を結ぶのは困難であり、地域に拡大しないと*1難しい試みではありますが、しかし、「おいしいもの」を日常から食べる事と食の安全や体の健康は密接に関係していることは、忘れてはならないと思います。

*1:東京だったら一都三県の規模に拡大しないと需給の面からも駄目か…