この国はアメリカ様の自治領な訳だ
http://www.asahi.com/politics/update/0719/001.html
米政府が自民・穏健野党へ秘密支援 米外交文書で確認
2006年07月19日06時19分
米国務省は１８日、ジョンソン政権（１９６４〜６８年）下の対日外交文書集を刊行し、複数の自民党幹部と野党内の穏健派を対象とした米政府の「秘密支援作戦」（資金援助）が、５０年代後半から６４年まで存在していたことを裏付ける文書を公開する。中央情報局（ＣＩＡ）による自民党への資金援助については、９４年に米紙ニューヨーク・タイムズが報道したが、公文書で確認されるのは初めて。野党の一部にも資金が及んでいたことが明らかになり、戦後史に新たな光が当てられることになる。
刊行されるのは、米国務省が、機密解除期間の３０年後をめどに逐次出している史料集「合衆国の外交（ＦＲＵＳ）」の第２９巻第２部。
国務省の記者発表文によると、作戦は「主要な親米政治家への支援と、左派野党内から、穏健派を分裂させることを目的とした」ものだったが、小規模だった。ジョンソン政権は、計画が適切とはいえず、明るみに出た場合のリスクに相当しないと判断し、６４年に停止したという。政治家への資金援助ではなく、共産主義の影響を排除するための社会・広報宣伝的な秘密計画は６８年まで続いていたという。史料集のエドワード・キーファー編集長は「作戦はごく小規模のものだが、資金援助は含まれていた」と朝日新聞に語った。
今回の作戦は機密解除で公表された物であり、この時代のアメリカの対日工作…この場合は政財界をアメリカの意向通りに動かすために懐柔する…の全てを公表したのでは無いことに注意してみる必要がありますが、
この作戦が行われた時代には日米安保条約の締結で日本が二分していた時代であり、安保条約締結*1を強行した背景には、岸信介を始めとする自民党首脳部と「左派野党の親米派」*2がアメリカのコントロール下にあった。と言うことに注意せねばならないでしょう。
つまり、日本の「安全保障」とは、アメリカの一方的な都合で最初から行われていた訳ですな(´Д`)y-~~
日本を中心において当時の極東情勢を鑑みると、北にはソ連と言う「アメリカの敵」、南西には中国と言う、「アメリカの敵の敵*3」、西には北朝鮮と言う「ソ連の傀儡」*4、すぐ西には韓国という「アメリカの傀儡*5」、そして南を見れば台湾*6・フィリピンと言ったアメリカの属国ともいえる軍事独裁国家がありました。
その中でこの時代には中国-北朝鮮-ソ連と言う「反米」正面に対して強力な軍事力を日本・韓国・台湾に集積する戦略的必要性がアメリカにはありました。この中で韓国と台湾は独裁国家でしたが、日本はまがりなりにも間接民主主義を取っていましたから、国家間の条約を締結し、国会で批准させるという形を取る必要があった。
その関係でこの手の工作が始まり、それは田中角栄の時代に（児玉誉志雄などの右翼の大物の支援を受けながら）一度ひっくりかえされそうになったのですが、
ロッキード・グラマン疑獄をマスコミに大きく取り上げさせる事で田中角栄を失脚させ「粛清」させ、その後中曽根から現在に至るまでアメリカのいいなりになり、権力を維持することが内閣の最大の任務であると言う状況に続いている訳です。*7
これらを考えるとマスコミこそが６０年・７０年安保の後、アメリカなどに一気に懐柔されて日米政府の庇護の下にいる構図と、社会党が骨の随までアメリカに利用されていた構図が透けてくるのですが…このあたり*8はCIAを始めとする諜報組織や公安警察を始めとする公安組織の十八番だから確実にあったでしょうけど、当の日本のマスコミでは簡単には出てこないでしょうね(´Д`)y-~~
こういう視点から、去年の「小泉劇場」選挙で何があったか、マスコミが何をしたかを見直すと、今後何が置きそうか、結構面白いことに気づくかもしれません:-)
*1:偶然ではあるが、安保条約を締結したときの日本側の首相は安倍晋三の祖父にあたる岸信介である…歴史の皮肉か？
*2:これは、民社党に分裂していったり、政界再編の時に民社党系議員と合流した社会党右派議員の事を指すのか？
*3:ソ連と中国は、領土問題をきっかけとした対立に始まり、ソ連崩壊まで離反していた
*5:全斗煥あたりまでは、韓国は親米軍事独裁政権で言論の自由が無く、軍事が最優先した国家であったことに留意…その中でシルミド事件や竹島占拠などが行われている訳ですが…
*7:この中で、国際勝共連合＝統一協会の冷戦時代の政治部門が果たした、米ー日ー韓の反共議員の連携人脈づくりは、「安倍晋三集団結婚式祝電事件」でかいま見えるように、脈々と続いている訳ですが…
