月よお前が悪いから…のアーカイブ

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相模原市議会議員の「通信簿」

http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryxiifeb281/

市議の「通信簿」を市民グループが発表/相模原

相模原市議会(定数四十六)の傍聴を続ける市民グループ相模原市議会をよくする会」(赤倉昭男代表)は十四日、同市議四十三人の議会活動を採点した「通信簿」を発表した。一般質問の回数と公約に言及した回数で評価した「公約編」では、「秀」と「優」が計十一人、「不可」と「落第」は同五人となっている。

通信簿は二〇〇三年六月から〇六年十二月までの計十五議会を同会会員がすべて傍聴。市議四十三人(辞職した三人と増員選で当選した三人を除く)を一人ひとり採点した。評価方法は【1】公約編【2】観点編【3】総評編-の三通り。

公約編は、「秀」「優」「良」「可」「不可」「落第」の六段階で、秀五人、優六人、良十人、可は十七人、不可四人。一般質問に一度も立たなかった一人が「落第」した。

観点編は、「調査・説得力」「行政チェック度」「議場での態度」「議会改革姿勢」の四項目をA〜Dの四段階で評価した。オールAは二人。A三つは五人おり、このうちの二人は居眠りが響いて「議場での態度」がCと評価された。D三つは八人、オールDは一人だった。

総評編は、採点に加わった同会の九人で一人ひとりを総括した。「旧態議会につぶされたのか当初の勢いが先細り。やや期待はずれ」「自信過剰か。異なる意見に耳を貸さない。不遜(ふそん)」「(議会より)家族旅行を優先した問題外の議員」…などと辛口の評価が並んでいる。

同会は四年前、全国で初めて議員の通信簿を作成した。統一地方選有権者の参考にしてもらう目的という。

A4判十二ページ。四千部印刷。入手希望を含めた問い合わせは、赤倉さん電話042(749)9140。

偶然相模原に住んではいるものの、市議会の前に警備員が立っていたりとかあったり、そもそも忙しかったりで市議会というものを見るチャンスに恵まれなかったので、実際どんなものだろうと、グループの代表の赤倉氏に連絡を取って入手してみました。

とりあえず、そのまま転載したいのですが、それはちょっとお待ちいただいて;)*1、非常に良くできています。
市議会議員という「仕事」と言う物を、評価者が自分の思想信条を極力排除して純粋に評価しようとしている部分が、最も「画期的」な部分だと思います。

そんなこんなで、数日前に突然相模原市民会館の方で報告会をやるので来てみないか。と言うお誘いがグループの方からありましたので、体調よろしくないので躊躇はしましたが、始まるギリギリの時間に家をでてバスに乗りました*2

で、会場に行って驚いたのは、私が事実上、一番若僧になる Σ( ̄□ ̄;)!!と言うあたりでした。「若い人は無関心」で片付けれられる問題なのかなぁ…と正直、思いました。

確かに四十代より若い人は仕事に忙殺されていたり目先のやりくりに必死で「市議会なんて関係ない」とか「政治に力入れれば入れたで仕事がしにくい」とか「そんあ暇があるなら自分の余暇に回したい」とか色々と理由があるんでしょうし、それが相模原(旧相模原市地域)の投票率の低さに反映しているんでしょうけど…それでいいんでしょうかね?(;´Д`)

まぁ、それはともかく、三会派からお一人づつの市議会議員さんが来ていただいたなかで、今年度(2006年度)の市議会傍聴を行った上で率直な感想をグループの方々から「10大ニュース」「建設委員会」「文教委員会」に絞る形で、私見を交えながら傍聴報告が行われることから始まりました。

報告の中で個人的に気にかかったことをリストすると:

  • 小川相模原市長が、再選直後にクモ膜下出血で倒れて、その後復帰したものの、この三月の議会の時点で病状が再び悪化、答弁は勿論執務不能になって入院した。場合によっては4月の統一地方選直前に引退の可能性すら囁かれ始めている
  • 議員の政務調査費の使途が2007年度よりやっと公文書として公開されるようになった。これまでは会派ごと(無所属の場合は議員個人個人)にじかに請求する状況であり、改善を市に求めつづけていたので、オンブズマンとしてはひとつの成果だと思う。
  • 市長や議長の交際費が今年六月期の実績から公開されるようになる。
  • 市議会本会議での質問方式が、
    1. 三人以上の会派に認められる、市政一般の問題についての質問も可能な「代表質問」
    2. 三人未満の会派*3に認められる、市側提出議案のみに質問範囲が限定される「個人質疑」

に二分された。*4

  • 一般質問は、一回の議会で3日間・21名に限定するようになった*5。この問題は、後の質疑・討論の時間で非常に問題視されてもいた。
  • 上記の「議会改革」を受けて、無所属議員三名が「無所属クラブ」を結成して発言権の確保に動いた
  • 住宅の老朽化、特に耐震基準の改定に伴う改築が必要な戸数が約三万戸に上るにもかかわらず、行政の助成制度の適用を受けたのは、年間50件程度に過ぎない
  • 厚労省の「老人医療制度改革」により、70才以上の医療費に関しては国保から、都道府県単位の「広域高齢者医療者連合制度」に移管される。
  • 米軍・相模原補給廠の一部返還に伴い、小田急多摩線を現在のJR相模原駅以遠まで延伸することに付いて三月議会で促進する動きがあり、町田市と連絡を取り始めている
  • この返還(約10ha)に関しては、無償か有償かが決まっておらず、有償返還の場合、約500億円の負担となるが、財源や負担配分をどうするか、未だ未決の部分が多い
  • 市立の小中学校、80校に付いて、5年間で改造を行う
  • 文教委員会では、三月議会での行政側の「補足説明」があまりに多い。予算消化率*6は79%にもかかわらず、中学校教師の一日の労働時間は11時間以上になり、トイレの改善などは先送りされ、(チョークなどの)消耗品の使用も厳しい制約が可せられるようになり、公教育自体が破綻寸前である。
  • 四月から市長局直属の「教育局」が出来るが、教育委員会とどのように役割を分担するかが明確になっていない。昨今の国レベルでの「教育改革」に伴う「上位下達の徹底」とも関係し、教育委員会制度の骨抜きを狙っているふしがあり、監視を継続する必要がある
  • 文科省が主宰する公立小中学校での「学力テスト」は相模原市では行う。ただし、小学校の試験はベネッセに、中学校の試験はNTTに丸投げする(たぶん、国レベルで)ので、個人情報の悪用が非常に懸念されるが、行政側では「国がやるから信頼している」の通り一遍の回答しかしておらず、非常に不安が残る
  • 城山町の合併に伴い、葉山島地区への産業廃棄物の違法投棄や水路・水源の税収配分の問題が出てくる訳だが、相模原市としてどのように取り組むか、いまの時点でも姿勢が明確にできていない

というあたりです。

その後、休憩を挟んで約二時間弱に渡り、近接市町村(愛川町厚木市など)からの方々やこられた議員さんの方々も交えて活発な議論が行われましたが、

  • 有権者数で圧倒的に多数を占める旧相模原市地域の人よりも、旧津久井郡地域からの参加者の方々の方が、危機意識が強いということが顕著であった
  • 津久井郡地域(津久井町相模湖町)や愛川町の議会の場合には、傍聴者のごく目の前で議会運営が行われていたが、相模原市議会・特に本会議の議場は傍聴席と議員の間に役所の要職の席があったり、傍聴者に対する制限が強くて、膨張の敷居が高い
  • 市議会が「開かれて」いない。CATVの活用は出来ないか*7



と言うあたりの議論が一番引っかかりました。

私も、多少発言させていただいたのですが、色々と突っ込んで見たかったけど時間等の制約から「積み残し」が非常に多かったのが、個人的には、惜しかったです。
「積み残し」を挙げておくと、

  1. 水郷田名の水族館や相模原博物館などの市立の学術施設の展示や学芸員の拡充、JAXAの相模原宇宙研などの学術機関と行政のリンクを、「子供たちに対する教育や公報活動」のみならず、現状よりももっと実のある物に拡充することが相模原の街としての魅力と言うか付加価値を高めるのではないかと思うが、実状、市議会議員がどの程度そのあたりに注目しているか聞きたかった
  2. 津久井郡地域の合併に際して、相模原市役所周辺へのアクセスを中心とした公共交通インフラの整備が考えられていない状況で強行合併した訳だが、今後どうするのか、参加されていた市議会議員のみなさんに問うてみたかった
  3. 相模原市地域を中心とした急速なベッドタウン化と市政への関心の薄さが議論で出ましたが、これに関してグループとして、参加者の多数を占める高齢層のみならず、働いている20代、30代、40代前半の層に対して存在を知ってもらい、関心を呼ぶ方法はないものだろうか?*8
  4. 相模原市政令指定都市化が具体化しつつあるが、旧相模原市地域はどう分割されるのか。旧相模原市地域でも、南部と北部では関心の対象も問題意識も全く異なり、旧相模原市地域を行政的に分割することや旧津久井郡地域を丸ごと合併したことによって、市民間であらぬ対立の火種が発生することを危惧している
  5. 教育・福祉行政のシステムの硬直化や朝令暮改的な行き当たりばったりな状況とそれに伴う現場への負担の増加に対して、一市民としてやるべき事・やれることは何があるか訊いてみたかった

そんな感じです。(^^;

まぁ、相模原市自体、現場の末端の役人さんたちは頑張っていると思うんですけど、何分、国や県の行政や相模原市の上層部、そして何より行政を監査するはずの市議会の運営があまりよろしくないようで、現場の足を引っ張っているようにも日頃感じている部分がある訳ですが、
もっと、この手の「議員通信簿」とかを通じて、市長や行政の市政方針や実績も含めてキチンと見て、ツッコミを入れていかないとダメだなぁ(;´Д`)と深く実感しました。

*1:ここまでネットを使う人とマスメディアやチラシなどで情報を得ている人の情報のベクトルが異なってきてしまうと、紙媒体とネット、両方で情報を提供していった方が良いようなな気がします。ネットと既存の情報入手手段、長短それぞれ異なっており甲乙付がたい物でもありますし、選挙民の中軸を担う「働き盛り世代」が実際に動いて情報入手する余裕が無いほどに忙しく、なおかつ安くコキ使われている現状を考えると、後述のデジタルデバイド問題を乗り越える事は必要だろうと思います…ただし、それなりに「波紋」を呼ぶものだと思いますので、ちょっと一考させていただいて、その上で発行されたグループの皆様と転載掲示の形で調整するかどうか決めさせていただきたいというのが正直な心境…

*2:…結局、わたしの場合、ギリギリまで逡巡して、一気に方針決めたら突進するタイプのようで、それは仕事にも表れています(苦笑)まぁ、やるとなったら納期から逆算して、仕事をやるとなったら自分の性格を鑑みた上で工程組む程度にはやれるようにはなりましたけど、それなりに軋轢はあるもので(苦笑)

*3:現状ではネットと社民党

*4:私見でもありますが、少数会派封じと数の論理の加速という意味で、非常に拙い状況だと思います

*5:現状、相模原市議会は49名-辞職した3名の議員で構成されており、これにもうすぐ合併される藤野町城山町選出の計三名を加えた52名で四月の市議会議員選挙の定数が設定される模様

*6:敢えて、平易な言葉に変えました

*7:この辺りについては、JCOMなどのCATV事業者やインターネットを使った生中継や録画配信を行う方向で働きかけるべきではないか旨発言はしましたが、いささかエキサイトして言ってしまったので、趣旨が伝わっているやら(;´Д`)

*8:まぁ、私なりに思惑はある訳です。一人でやるには力量的に可能かどうか微妙ですが…