月よお前が悪いから…のアーカイブ

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今年の総括と来年の展望(1)

構成も何も考えずに殴り書きで進めますが、いやー、まさか本当にアメリカが国家レベルで経済破綻起こすとは…後半年は先だと思っていた。
これは、昨年末に内輪で話したことの繰り返しで今更書いても陳腐ですが、次に起こることは確実にアメリカの国債のデフォルト宣言(債務不履行宣言)で、去年予測していたのは新大統領の就任の初めの仕事か現大統領の最後の仕事が国家破産の宣言と国債へのデフォルト宣言を行うことと国家財産の整理が次期大統領の最初にして最大の仕事になる…と言うものでした。
これはどっかでアーティクルに起こしていたと思いましたが記録がなくて…どこかのチャットでFX絡みの話が出たときに表に(相当こわごわと)出して、実際与太話以上には受け取られてはいませんでしたが…

アメリカ社会に対しては二つの側面からソ連崩壊時に匹敵する社会制度の疲労が06年後半には見えていて、

  • 貧富の格差や医療問題から垣間見える、富の再分配機能の全面的な崩壊。富める者による富の独占が究極まで行き着いた実像。*1
  • 証券取引という場で信用を捏造して資産価値を不当に「高めて」何も知らない人に売りつける「金融工学*2と言う詐欺行為の跳梁跋扈。

後者については大きく見えたのが07年の末で、それと前者を以て「アメリカ式の資本主義はそう長くない」と言う判定をしていました。勿論、BRICs諸国から見たアメリカや世界経済と言う物の実像がこの結論を導き出した部分も大きいですが…米ドルはこの二十五年間、レーガノミクス以降疲弊し続けてきた経済の実態と乖離した不当に高い価値に置かれていて、その「価値」を担保していたのが米ドルの単一基軸通貨性でしたが、しかし、これについてはユーロの台頭によって「米ドルがなくても国家間の貿易ができる」と言う構図が一般化することで実態経済と乖離した価値を持つ上にアメリカという内政干渉を非常に好む国家の意向が強く反映される通貨が忌避されることで進みました。*3
要は、ユーロの台頭によって米ドルの価値が本来持ちうる価値に戻りつつある所に、サブプライム問題のような形でアメリカ国内の社会疲労が露呈した事で今回の「金融危機」が起きたのであって、それはこの数年間以内に確実に起こると約束がされていた「危機」に過ぎなかった

故に、最初に話に出したときにはFXは持金全部する覚悟がなければやるな。的な話をしていて、どうしてもやるなら米ドルだけはやめろ。外貨に投資するなら長期運用を前提としてユーロかルーブルで持っておけ。万が一暴落しても、長期的な視点で見た場合、ユーロは為替レートが持ち直し・ルーブルは暴騰する局面が必ずあり・米ドルは落ち込んだまま戻らないので…と言う話をしましたが…彼はどうなったことやら。(この項つづく?)

*1:マイケル・ムーアの"SICKO"などを見ると非常に端的に出ているが、知財に纏わる揉め事もこの部分に入る

*2:って直訳しなおすと「財テク」。

*3:米国のイラク侵略は石油利権の確保と同時に米ドルでの取引を拒絶してアメリカの国力を削ぎつづけていたフセイン政権の排除にこそ最大の戦略的な目標があるという北野幸伯氏の分析を公開当初から支持してきた事もありますが…イラク戦争後の占領体制の破綻はいわゆる「ユーロシフト」を加速することはあっても止めることはできなかった