月よお前が悪いから…のアーカイブ

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最初の命題に戻る-「かんぽの宿」問題

もう一度、命題を引用し直します。


d:id:ageha0:20090128

したがって、09Q1鳩山問題の焦点は、次の問いに集約できると考える。

土建利権と改革利権。どちらがよりマシか?

これは、非常に正統的な「小泉政治的」命題でもあります。
つまりは、二つの体制・二つの政治勢力の間での富の奪り合いのどちらを支持するか。と言う一種不毛な論争でもあります。が、

富を独占するが、下々への配分はある程度真面目に行う*1旧来の強欲な政治勢力
と、
富を独占するが、自分たちの仲間の間で富を循環させて手放さない、下々への配分を無駄と切り捨てる新興政治勢力
との間でどちらがマシかと訊かれたら、個人的にはどう考えても前者でしょう。となりますよ。

後者の新興勢力=新自由主義経済思想に基づく「改革」を提示する人々が何らかの解放をもたらすかといえばそれが全くの幻想で、実は古くからの道徳を利用するなどして下々への締め付けを強化したり下々に思考停止を押し付けるために危機を演出する*2人間が、我々を僅かでも解放するとは私には見えない。
中曽根康弘が臨教審の中で国家主義教育を重視し、それは小泉-安倍政権まで国家の最重要課題として推進された事一つ取っても*3、そこには何ら自由は、ない。正確に言えば、最強の者が最強でありつづける自由だけがあって、それ以外の自由は本来的には存在しない。その他の自由は共同幻想でしかない

と思っています。

そう考えると、
かんぽの宿」問題というのは、新興勢力が旧勢力の「お宝」を奪取・独占しようとしてしくじった*4に過ぎない訳です。

その「お宝」が旧勢力だけが大昔から独占して・その中で営々と保管されてきただけの物であったら、私が知ったことではない。所詮泥棒同士の物の交換に過ぎないのだから勝手にやればいい。しかし、それは、苟しくも公共財産を投入し我々が比較的安価かつ平等に利用可能である建前を纏って存在し続けた物であり、そこには多くの労働者や農漁民の血と汗が刻みつけられてきた。
だからこそ、郵政民営化問題でのオリックス-日本郵政-三井住友FG*5の挙動とそれをバックアップし、政治的に十分利用し続けてきた「改革」派の行状は許すことができません。

*1:ここではその政治的動機は無視します

*2:所謂、ショック・ドクトリン

*3:これは、神奈川県の松沢知事も横浜市の中田市長も杉並区の山田区長も、その政治手法や経済思想を彼らと同じくするように教育についても国家主義的な傾向を重視する部分でも共通していると言う意味で、私が彼らを唾棄する大きな理由の一つなのですが

*4:その背後には、多分多くの労働者の良心と少数の資本家の欲望に基づくサボタージュが控えていそうですが

*5:郵政公社の経営権を押さえてるのが三井住友FG出身者であることは注視の必要がある