「破」でのアスカ・マリ(新キャラ)は何のメタファーか?
前作でのアスカは、自分が女性であることでの男性に対するアドバンテージを無意識に理解して自己の支配欲のために他者=シンジを支配しようとする存在*1として描かれていました。つまりは、アスカとは庵野が持つ無意識のミソジニーの、女性を恐怖する心の、その根源にある女性観のメタファーであった。故に、実はあの作品の作品性を一番支配している*2
しかし、本作で「変わってしまった」庵野秀明がそれをよしとするのだろうか?多分、答えは否でしょう。
そうなると今後現れてシンジに深く関わるであろう二人の女性=アスカとマリという存在が何を意味してくるのか興味深い。
アスカがヒステリックでエゴイスティックな存在としてシンジをかき乱すのならば、マリは何を「武器」としてシンジをかき乱すのか?全く分からない。
ただ一つ言えるのは本作中盤・バーでミサトとリツコが話しているシーンで印象深い台詞があって
「今時の男はすべからく自分にしか興味ないわよね」
「本当、女には辛い時代よね」
一つの話の流れの一ピースとしてこのシーンを見た場合に、前作で前者の件に相当する台詞は度々あったかもしれないけど、前者を受けて後者の件を出すに当たる台詞が出ることはありえなかった、ここにも庵野秀明が自分を・男性という存在を客観的に見ている=女性の視点を正確に出している傍証が見られるという事です。*3