東京都青少年「健全」育成条例でISPと保護者にフィルタリングを「努力義務」

http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2005/02/20f2g101.htm

　青少年の健全な育成を図るため、インターネットの利用及び青少年の性に対するかかわり方について所要の規定を設けるとともに、青少年の育成に対する保護者の責務を規定する。

１　都は、都民、区市町村、事業者等と協働して、青少年の健全な育成を推進する体制を整備する。

２　保護者に青少年を健全に育成する責務があることの自覚を促し、保護・教育の努力義務を課す。

３　青少年の性に対するかかわり方
(1)保護者及び関係者に青少年の性に対するかかわり方を啓発し、教育する努力義務を課す。
(2)青少年に対する情報提供を業とする者に対し、安易な性行動をいたずらに助長する等の情報の提供を行わないよう自主的取組を行う努力義務を課す。
(3)何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行ってはならないこととする。
　→２年以下の懲役又は１００万円以下の罰金。青少年は免責

４　インターネットに関する規制
(1)インターネットプロバイダ等に有害情報をフィルタリングできる機能の提供等の努力義務を課す。
(2)保護者に、青少年がインターネットを適正に利用できるよう努力義務を課す。
(3)都は、青少年がインターネットを適正に利用できるよう普及啓発、教育等の施策の推進に努める。

【施行期日】

　平成１７年４月１日。ただし、２及び３は、平成１７年６月１日、４(1)及び(2)は、平成１７年１０月１日

さて、ここでインターネットプロバイダ（ISP)にフィルタリングの「努力義務」を発生させていますが、結構厄介です。
何故かといえば、東京にセンターを置いて、フレッツで繋がるようにしているISPと言うのが結構あり、そのISPはコンテンツフィルターを入れなければならないからです。

その上、現在警視庁がコンテンツフィルターベンダにブラックリストを提供すると発表しており、それを鑑みると、この改定条例施行により、事実上の公によるインターネット検閲体制の準備が整う事になります。

現在はこの条文には罰則はないですが、今後コンテンツフィルタを通さない接続を青少年に提供した事に対する罰則が設けられない保証はまったくない。

まぁ、ここまでは杞憂で終わってくれるといいのですが、それに対する一般の反応が「子供に有害なものを見せないのはしかたない・当り前だ」と言う所で思考停止してる場合が非常に多いことには（予測はしていたけど）危険なものを感じます。

例えば、
http://slashdot.jp/article.pl?sid=05/09/21/2359253&topic=19&mode=thread&threshold=-1
のスレッドですが、殆どの論調が上記の感じで、いつもの検閲やゲーム規制に対する怪気炎は何処に行ったの？ってな感じです。

私もそこで「子供がそういう物を見るのは避けられないと腹を括っている。問題は見たのがわかったときに子供がどう捉えるべきかをじっくり子供と話し合うことであり、隠蔽したりすることでは無い」などと書いたのですが無反応です(/_;)

今の親は、そんなに子供と向き合うのが怖いのでしょうか？
それとも「不快な物」から自分が眼を背けたいから子供をダシにしてるのか？
私は子供と向き合わないといけない宿命を負ってる所があるので、他の親の感覚が理解できないだけなのかも知れませんが。

NHK、受信料の強制取り立てで民事訴訟を検討

まぁね、BBC程度の独立性を持っていれば喜んでお金を払いますよ。

ニャッキ!のファンだし、真面目なドキュメンタリーをゴールデンにやる地上波TVはNHKだけだから。

でも、プロXや7時のニュースが事実上のCM番組になってしまっていたり、例の慰安婦番組への政治介入*1に対して自民党にはお詫びしたけど我々視聴者には格好だけ詫びて、挙げ句には事実をすっぱ抜いた朝日新聞を攻撃してたりして、視聴者の方は全然向いてくれない。

こんな状況では、とても「みなさまのNHK」とは言えず、抗議の意味を込めて金を払えない。

それで出来た穴を民事訴訟仕掛けたり、スクランブルかけたり*2して強制徴収するというのは法的には根拠づけなんていくらでも出来るんだろうけど、本末転倒の行為としか思えない。

我々からお金を取りたければ、BBC並みに政治や企業から独立した体制を作って欲しい。
政治家や企業の方ばかし向かないで視聴者の方を向いてほしい*3。

スクランブルかけるくらいなら民営化しろという意見もあるけど*4、そうなると、なおさら政治家や経済界の方を向いてしまう危険がある。

視聴料が支えるNHKならば、スポンサーたる視聴者が憤慨しないように組織を改革して欲しい。
小手先の一割人員削減なんて真似をして首切りでお詫びしたつもりにならずに、今の人員体制で*5、視聴者の方を向いた放送に徹してほしいと私は思います。

*1:これは、取材した本田記者からと思われる当時の音声ソースのリークによりほぼ事実と断定できる所まで来た…取材のときに本音を探るために隠し録音する行為は、私は「社会の木鐸」の役割を考えたらそんなに悪い行為ではないと思っていますが…公安かどっかの脅迫目的の盗聴とはまた違うのだから

*2:NHK BSの場合、CATVの一部などでは既に金を払わないと見れなくなったりしています

*3:最近も今も続いているチェチェン戦争での民間人虐殺のルポが放送延期になったりしている、これは誰を向いて為された判断なのだろうか？

*4:http://eiji.txt-nifty.com/diary/2005/09/post_5986.html

*5:必要ならば人員を増やすことすら歓迎する