月よお前が悪いから…のアーカイブ

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1.事情に詳しくない人のためのお復習い的概論

児童ポルノ・買春禁止法(以下児ポ法)と言う法律があります。
児童保護が目的だと思われがちだし、児童保護は一応謳われていますが、実際の運用では児童保護は殆ど放置されています。

何をやってるかと言えば、買春の取締とか、18歳未満の若い人が撮ったセルフヌードの類をネットで公開したりメールで知り合いに送ったりしたのを児童ポルノ製造罪で検挙したりする事が中心です。
児童ポルノ」というと、大抵の人は児童虐待の末に出来たエグい写真とかビデオとか、後はおっさんがお金にものを言わせて女子高生とか女子中学生を買って作ったエグい写真とかビデオだろう。と思いがちですが、そういう物は年々減っています。
で、これは法が出来た99年からずっと争われてるのですが、この法律が実際の所「児童が絡むあらゆるわいせつ物の違法化」という趣旨で作られてるので、漫画やアニメなどで実際の子供とか関係ない架空の作品を何とか児童ポルノにして、検閲体制を構築できないか。と言うことと、「持ってるだけで違法」と言う事にできないか。という動きとそれに対する抵抗の動きがずっとあり、 違法の範囲をむやみやたらに拡げたい人々(このあたりは非常に興味深い動きが色々あるんだが本稿では省く)にとっては非常に歯痒い状況が十五年近く続いて来ました。
彼女ら彼らは政界では主に、民主党の右派と自民党公明党にいます。

で、今回衆院選で、自公が圧倒的多数で政権に復帰し、この児ポ法の「国民の権利を大きく制限するような」改正を一気に通そうとしています。
この改正案は「持ってるだけ」で処罰出来る法で、警察の運用次第ですが、海外のその国では合法である15歳以上18歳未満の裸などの画像のリンクを間違って踏んだだけで処罰できてしまう、冤罪製造機です
既に、自公政権は法案を作り、維新と一緒になって衆院に提出しようとしています。そして、会期末に一気に成立させようと目論んでいる。
最近マスコミで連日報道される児ポ法違反事件の多くは、この法成立を援護する為の意図的リークと睨まれています。

2.出来ること

この法律は、現在の状態で既に相当な問題が出ていますが、自公維はそれを更に悪い方向にしようとしてる訳で、多くの人が反対しています。
今の政治状況的に出来ることというのは限られていてはいますが、自公政権参院までは過半数を取れていないという所が救いでして、この部分に重点を置いたほうがいいでしょう。
何しろ、自公や維新の今までのやり口から見て、議会での議論をオミットして過半数を取ってると強行採決してでも衆院を通すのは確実だと思うので。

【戦略的目標】

a.参院児ポ法改正案を「沖留め」させて、期限切れ廃案を目指す。
b.万が一成立と相成った場合、治安法の性格を薄めるような方向で早期の再改正が出来るように環境づくりする

【具体的戦術】
a-1.各党・各議員に対し、児ポ法の現状の問題点と改正案の問題点を訴え、反対するように要請する。
数を頼った署名に関しては既に時間切れなので、個人個人での「お願い」が主力になります。
a-2.「お願い」は、可能な限り手紙か、選挙の手伝い等で直に会っての物にする。
  電子メールやFAXで「お願い」してしまうと結構評判が悪くてスルーされる危険があるので。
a-3.児ポ法の現状は児童保護を無視した治安法である事を浸透させると同時に、その方向を拡大させて若者の権利を蔑ろにする改正案だという事を議員以外にも、周知・広報していく。
a-4.働きかけるのは、主に民主党・生活の党、その次に社民党共産党みどりの風みんなの党にする。
  緑の党などの議席を持たないリベラル政党も同様。
  維新に関しては個人レベルで改正反対派がいるので、彼らに対し「造反」を促す所に重点を置く。
  自民党公明党は優先度を最も下げる。個人でどれだけいいことを言ったりしてても、党議拘束で簡単に折れてしまうのが最近の自公の議員なので。
a-5.民主党の議員に対し、前回に自公が児ポ法改正案を出した時に民主党が対案で出した「民主党案」を出すよう
  「お願い」すると同時に、野党各党の議員に対して自公案ではなく民主党案に同調するよう「お願い」する。

b-1.もうすぐ参院選であるが、棄権や白票は、自民党公明党・維新への全権委任であり、児ポ法に限らず色々な権利を制限させられることへの全権委任だという事を周知する。
b-2.そして、みんなに投票に行って、自公維以外でベターな候補に入れてもらうキャンペーンを行う
b-3.キャンペーンを展開するという事が重要。選挙で自公維が負ければ、大きな圧力になるし、勝ったとしても、野党が誤った選択をしないような牽制として機能できる。
b-4.時間的・資金的余裕の有る人は、積極的に選挙事務所等に行って、チラシ折りだけでも手伝うようにする。
  時間はないが資金的余裕の有る人は、手紙と一緒に寄付をする。極めて少額でもよい。
  時間もカネも余裕のない人は、手紙を出す。


とりあえず、こんな感じでやっていきましょう。
情勢は悲観的だが全てを悲観するほど最悪でもない。

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