月よお前が悪いから…のアーカイブ

http://d.hatena.ne.jp/artane/ がサーバの関係で消えるようなので、アーカイブします。基本更新しません。

国内最大の兵器会社、三菱重工が防衛庁から指名停止へ

三菱重を指名停止へ 防衛庁、ミサイル開発ミスで検討

 防衛庁は、88式地対艦ミサイルの改良型「SSM1改」の開発ミス問題で、三菱重工業(本社・東京)を同庁発注の指名競争入札で指名停止処分とする方向で検討に入った。同社は防衛庁との間で年間二千八百億円を超す取引がある国内最大手の防衛産業。戦闘機、戦車など同社でしか製造できない武器は契約を続けるが、処分による信用失墜は避けられない。

 同社は昨年、必要な強度試験をしないままSSM1改の発射試験を実施した。その事実が今年四月、社内で判明したにもかかわらず、防衛庁に届け出なかった。

 防衛庁は、ミスを見抜けなかった同庁技術研究本部の担当者を近く処分し、次いで同社の指名停止期間を決める方針だ。

 ここ数年、同社には不祥事が相次ぎ、今年も護衛艦「おおなみ」のマスト溶接ミスが判明。しかし、指名停止処分を受けることはなかった。

 この処分により、指名競争入札一般競争入札の参加資格を失い、億単位の仕事になる海上自衛隊艦艇の修理から外されるほか、開発案件にも参加できなくなる。指名停止期間が長引けば、同社にとって深刻な損失となる。

 今回、防衛庁が強い姿勢で臨むのは、強度試験をきっかけに十二項目も見つかった開発ミスに加え、必要な報告を怠るなど信頼を裏切る行為が重なったことがある。

 三菱重工業だけが生産技術を持っているF2支援戦闘機、90式戦車などは、例外規定の「真にやむを得ない場合」として新規の契約が認められる。だが、米ボーイング社と新型旅客機「7E7」の共同開発を開始するなど、国際舞台への進出を急ぐ同社にとって政府機関からの処分は大きなイメージダウンだ。

 防衛庁にとっても同社を締め出すことは防衛力の低下につながりかねず、陸海空自衛隊への影響調査を開始した。

防衛庁に“もろ刃の剣”

<解説>

 88式地対艦ミサイルの改良型「SSM1改」の開発ミスは、三菱重工業に対する処分問題に発展した。同社との取引中断は国防の基盤を揺るがしかねず、防衛庁にとって「もろ刃の剣」。それほど防衛産業最大手、三菱重工業防衛庁のかかわりは深い。

 昨年度の同庁との契約額は二千八百十七億円に上り、二位の川崎重工業を千二百億円以上引き離して断然トップだった。

 同社生産の主な武器は、90式戦車十七両(百二十六億円)、F2支援戦闘機六機(五百四十三億円)、地対空ミサイル「パトリオット」一式(二百八十一億円)、イージス護衛艦一隻(船体・主機械のみ四百七十三億円)、SH60哨戒ヘリ七機(二百六十四億円)などとなっている。

 これだけ多様な武器を生み出す「ガリバー企業」との取引停止は不可能に近い。防衛庁はここ数年続いた不祥事にも目をつぶり、処分を見合わせてきた。退職した高級官僚や幹部自衛官が同社顧問として六月時点で二十九人、嘱託が二十二人もいるという「もたれ合いの構図」も背景にある。

 だが、防衛費が抑制され、正面装備が削減される中で聖域は消えつつある。石破茂・前防衛庁長官がF2支援戦闘機の調達機数を下方修正するよう指示したのも、その一環とされている。

 とはいえ、指名停止の期間を極力短くすべきだとの主張も庁内にあり、処分が実効性を伴うか否かは不透明だ。 (社会部・半田 滋)

 少し追加するならば、この「SSM-1改の失敗」と言うのは、ミサイルを垂直に発射して指定の方向にミサイルを向ける際にミサイル自体が破壊してしまった*1と言う「不具合」でして、既に今年の6月位には2ちゃんの軍事板で出ていた問題です
 あの時には改善策を用意するとの話でMHI三菱重工)と防衛庁の間で収まったと思ったのですが、実際には改善策を出せなかったのですね。
 元々日本の軍需産業には「なぁなぁ」の体質があって、その背景には多少のミスは見逃してしまうと言う防衛庁の悪弊があったのですが、このような厳重な処分に至った背景に防衛庁の何が変化したのかに興味があります。*2
 あと、MHIはMD(ミサイル防衛計画)の日本側の主要部品の開発業者でもあるのですが、この措置でMDがどう動くか興味が湧きますね。

*1:ポキッと折れた?

*2:只、MHIを弁護する訳ではありませんが、日本の兵器開発は「大体こう言うものを作ってくれ」と言う防衛庁上層部の意向がまずあって、それを防衛庁の技術研究本部とメーカが形にして、メーカが量産すると言うプロセスを経るので、この問題については防衛庁も等しく責任を取らないといけないと思うのですがね(´Д`)y-~~