月よお前が悪いから…のアーカイブ

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定額給付金を問い合わせた市民たちを「物乞い」と蔑む中田宏横浜市長

太田正孝横浜市会議員のBBS経由で知りましたが、中田横浜市長が21日都内赤坂のホテルで講演したのはいいのですが、その中で以下の様に発言したと23日付の夕刊フジで報道がされていました。


鈴木棟一の風雲・永田町(3755)
中田横浜市長が危惧 - 「労組と一緒の民主、大丈夫か」
(夕刊フジ 09.5.23)

横浜市長中田宏氏(44)が23日付の日朝、赤坂のホテルで講演した。
(中略)
こんな言い方も。
「かつて自民党もひどいが民主もひどい。民主党の方がましだな、と思っていた。最近は自民党の方がましだ。と思うようになった」
定額給付金について。
「消費刺激のための価値転換は評価するが、困っている人を助けることになっていない。市役所に物乞いのように集まる社会現象がある。少しでも早くくれ。もっと得なことはないか。と言う思考回路だ
自民党の弱体化について。
「地域の酒販組合、不動産組合、農協で『1度、民主党に替わった方がいいよね』との会話を聞く。論理的でないから自民党にとって危険だ。自民は弱体化し、地殻変動が起きている」
(後略)

今時の庶民の窮状を全く分からないからいえる暴言であります。
中田市長にしても、同様に定額給付金に苦言を述べている松沢成文神奈川県知事にしても、自分の視線には庶民がギリギリを通り越して下の線で喰ってる・選挙目的の賄賂だと分かっていてももらわないと喰えないそういう辛さなど何ら見えないのでしょう。
彼らは自己責任論を多く述べ・又、障害者や貧困層に自立*1を要求すると称して公共交通の割引や医療への支出を削る「改革」をトップダウンで強く断行しました。
中田横浜市政になってから断行された市営バス・地下鉄の障害者や生活保護受給者への無料パスの廃止や神奈川全県で繰り広げられている老人・障害者への割引パスの助成廃止、そして医療費を削って厳しく取り立てる一方で国民健康保険を交付されない子供は神奈川県が全国でもっとも多く・そしてその中でも横浜市が突出している。
無保険児問題は国が介入して大半が保険を交付されたものの、それまで神奈川県も横浜市も(しそして多分川崎市も)それまで対策も打たなかった。選挙民向けのスタンドプレーは散発的にあったけど、それも長続きせずに衆目を引かなくなった時点で打ちきって行った。*2

それは彼らの自己責任論の非常に美しい実践であったのですが、しかし真面目に仕事をやっても喰えない人が大半で、そもそも今時の労働者が要求されてる非常にきつくて安い仕事をこなせないから恥をしのんで年金や生活保護などを貰っている人たちからすれば喰えるほどの仕事をやろうにも個々の事情でそれができないから泣きついてる側面が大きくあって、それを救済するのが国や県や市の大きな役割であって・その原資は金持ちからより多くとる。とするのが近代経済学までの理論であったはずなのですが、今流行りの新自由主義経済やそれに心酔しておられる新保守主義者=中田や松沢と言う面々からすれば、「貧乏人が野垂れ死ぬことこそ自己責任であって、それを助けるのは間違ってる。助けを求めるのは物乞いのような間違った生き方なのだ」と言う視点であって、金持ちが国や人の財産を食い物にし・搾り取るだけ搾り取った挙句に自分の失策で儲けを失う事は自己責任にならないとでも言いたげである。*3

実際、松下政経塾閥の人たちにしても自民・民主のネオリベ議員さんたちにしても、貧困対策や福祉・医療の基盤に対しては「聖域を設けないで歳出削減を」としつこくもとめるのに、公が金を出す対象が名だたる大企業や富豪・自分の趣味やイデオロギーを達成するための施策となると湯水のごとく十億百億単位の金を個別に突っ込む。

これは、明らかに利己的で、なおかつ人を食いつぶし踏み潰すことを何ら不道徳とも不正とも思わない異常さを覚えるのでありますが…
禁煙強制条例*4にしてもインベスト神奈川にしてもPFIの急速な導入、Y150にしてもそこにあるのは上の自己満足であったり自分や取り巻きへの利便供与であって、下々の暮らしを改善するとか人を定着させるとか十年先五十年先の神奈川県の知的能力を維持しようとかそういう崇高なものが全く見受けられない。*5

これが、非常に大きな不正と不道徳でないとするならば、何が不正で何が不道徳であるのか…

*1:あくまでも、彼らが考えるような役所の金を使わないような自立

*2:その代表的な例が「派遣切り」にあった人たちに県営住宅を提供したものの、半年の期限を過ぎるからと立ち退きが強要され、期間延期を求める人々に対し県側が非常に冷淡な態度を取りつづけている事態である d:id:noir_staff:20090501

*3:そこいらが一番露骨に出てきたのが、アメリカでのリーマンなどへの公金注入で、金融秩序を維持するのならば不正な儲けの源泉を暴くための公の追求こそが最優先されないといけない筈なのですが、しかし目先の安定を維持すると称して結局投資銀行にしても大メーカにしても責任追及は二の次で経営者と大株主と幹部社員の懐を火事場泥棒敵に儲けさせただけであった。ロシアでオリガルヒがシベリア送りや国外亡命にされた時のようなチリほどの正義すらそこには存在しない

*4:受動喫煙防止条例が正規の名称

*5:せいぜい、パトロンを決め込んでる芸術家や創作家への補助金代わりの発注や音楽祭ていどしかない…