月よお前が悪いから…のアーカイブ

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「改革」が招く階級格差

ウヨ厨御用達。と言う感じで敬遠しがちなSAPIOですが、11/23号の表紙が興味深かったので、ちょっと買って見ました。

まぁ、主要な記事は階級格差の問題と食糧問題と軍事問題だったのですが*1、情報は私のアンテナに引っかかっていた物が大半とは云え、良く整理されていて400円出す価値はありそう。

で、小泉が圧勝する前・正確には橋本内閣時代から連綿と続く「改革」路線で一番危惧している、「貧富の差の拡大と日本のアメリカへの安売り、それに伴う階級格差の激化」に関連して、非常に興味深いルポがありました。

佐藤留美氏による、「日本のニュー・リッチ『仰天!百話』」と言うルポなのですが、これをみると、新興の金持ち…ほりえもんや三木谷に代表される…が、富を独占してまさに成金の如く浪費し、金持ち同士で固まってコミュニティを作ってしまっている姿があからさまに描かれています。

これを見ると、金持ちが持つべき矜持や節度など、新興資本家である彼らにはまったくない事が明らかになります。

彼らが、日本を牛耳りつつあり、それを小泉内閣を代表とする政治が是認どころか奨励し、キャリア官僚連中はその中で民営化に伴う天下りと公共資産の合法的な売却により巨万の富を得、皆日本の経済も国土も人間をも喰い物にして、まさに生き血を啜っている現状には恐ろしい物があります。

今、政財官が一帯となって進めている「改革」は、階級格差を拡大し、僅かの金持ちと大多数の貧者という構図を生み出すと同時に、そこに群がる政治家・高級官僚・金持ちのみを潤し、一般人・つまりは労働者や膿漁民(とその予備軍)、そして老人や病人をいくら働いても一向に文化的な生活すら営めない極貧の極致まで搾取しつづける物です。

我々は、確かに「強い人」にひかれがちだ。「念仏」や「スローガン」に踊らされがちだ。

しかし、みんな、頭を冷やしてほしい。我々は彼らの奴隷では無い。彼らを打倒し乗り越えることでしか我々は自分らしく生きられないことを思い浮かべて欲しい。

*1:あ、小林よしりんの連載には興味ないですから…彼は右翼思想家としては突出した物を感じますがね、リア厨な行動取ってるからね、10年前に。

「リッチ」な食の貧しき事よ-「地産地消」の薦め

件のルポの中に、こんな記述がありました。

(前略)
リッチたちは、自宅パーティもお好き。六本木ヒルズC棟の住人である、全出の年商40億円の女性起業家は、「先日も、有名力士にちゃんこ鍋を”手製”してもらいました。あと、たまに域つけのすし屋の職人を呼んで、自宅で握ってもらいます。3人前で25万円くらいかな」と語る。
もっとゴージャスな話となると、「2億円で購入したプライベートヘリを飛ばして、旬の物は現地に食べに行く。7月は”しろしたカレイ”を食べに大分に、8月は”ウニ”のために天草へ行ってきました」(同女性起業家)なのだとか。
(以下略)

非常に、この人の食生活に「貧しさ」を感じて止みません。
全てがブランドで、金で強引に高級品を食べて食通気取りか。
結局、この人に取って「食事」とはエルメスやヴィトンの鞄と変わらないのでしょう。
確かに、旬の物をおいしい所に食べにいくのは格段の御馳走です。
でも、それはブランド物では無く、田舎町のさりげない・そこで入手するのが容易な類の魚介類や山の恵み・そして何よりもふんだんにあるごくふつうの農作物の組合せによってしか味わえない物です。

このひとは、ブランドに囚われていて、自分の地元のたべもののおいしさを軽んじているように思えてならない。

たまの旅行で遠出してその場で食べるのが一番いい物を食べるのは、まさにごちそう。
滅多に入手できないものを店先で見付けて買ってきてて味わう、これも又ごちそう。

しかし、それと同時に、自分が暮らしている土地で容易に入手出来る農作物や魚介類を惜しみなく使い、天の恵みを活用することが真の御馳走では無いかと思います。

そういう意味で、地元の農業・漁業・畜産業を支援し、高品質の物を安く容易に入手出来る信頼関係を消費者である我々と生産者の間で作っていくことが必要では無いかと思います。

それを地元で生産したものを地元で消費するという意味で地産地消(ちさんちしょう)と呼びます

我々は、安ければよし。ブランドがあればよし。とスーパーなどの大手流通業者に依存してきた。
でも、それによって生産者と消費者の信頼関係はズタズタになってしまった。

大都会だと町単位や市単位で関係を結ぶのは困難であり、地域に拡大しないと*1難しい試みではありますが、しかし、「おいしいもの」を日常から食べる事と食の安全や体の健康は密接に関係していることは、忘れてはならないと思います。

*1:東京だったら一都三県の規模に拡大しないと需給の面からも駄目か…