月よお前が悪いから…のアーカイブ

http://d.hatena.ne.jp/artane/ がサーバの関係で消えるようなので、アーカイブします。基本更新しません。

神奈川県の圧力でコンビニエロ本の隔離強化

メンズヤング」誌2006年1月号の告知より

定価改定のお知らせ

読者の皆様へ

いつも小誌メンズヤングをご愛読いただきありがとうございます。
来月号より定価を340円(本体324円)とさせていただくことになりましたので、ここにご報告致します。

一部の報道でご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、この間、青少年の健全育成の観点から性表現などを含む雑誌に対しより一層の配慮を求める声が出ておりました。
神奈川県やコンビニエンスストアの業界団体からの要望を出版社の業界団体が検討し、現状1枚のシールを2枚にし、かつシールを透明な青色の物にするという内容で合意に達し
、小誌においても今号よりその実施に至っております。
あくまでも各社の自主的な規制ではありますが、関係する様々なかたがたの合意に至るまでの努力を尊重した結果であります。

これにともない、どうしてもコストの増加を抑えることが出来ず、今回の定価アップという決断に至りました。10円とはいえ読者のかたがたに新たなご負担を強いることには大きな抵抗を感じますが、その分編集部一同より一層の努力を重ねる覚悟です。
どうぞ今後も小誌メンズヤングをご愛読いただきますよう、お願い致します。

なお、最新号の見本ページを引き続きweb上で公開しております。
編集部日記は随時更新されておりますので、こちらも合わせてご覧下さい。

webメンズヤング http://www.web-myoung.com/

メンズヤング編集部

さて、このゾーニングを口実としたエロ表現規制は元々個別の発行部数の少なかったエロ系漫画雑誌*1の淘汰を招き、多くの雑誌が廃刊するか、エロとヴァイオレンスを組み合わせた「萌え系エロ劇画」路線への転換を迫られた訳ですが、一回お上の規制を許して後退したら、あとは言いなりになって後退していくしかないと言う最悪の状況になっています。

果たして、これが「青少年の健全育成」に好ましいことなのでしょうか?

メンズヤングや廃刊したファンタジーカクテルなどに多く掲載されている恋愛感情に主眼を置いたエロ作品というのは、実は中学生後半〜大学生位が一番必要としている物なのでは無いでしょうか?
しかし、実際には高校生まではかなり完璧に近い形で、そういう穏やかなエロ表現からは隔離されていて、地下ルートでハードなエロを入手したり、噂話や猥談や妄想が一人歩きする状況になっているのではないでしょうか?

「青少年の健全育成」の名の下に実務的な性教育までもが槍玉に上がって後退している事もあって、高校生を中心とした性感染症(STD)の病例がここ10年で急増し、表には出ていないけど中絶やレイプも急増、そしてとストレスのはけ口を失った子供達は町田の痴話喧嘩殺人事件のような形で歪んだ表現をしてしまいがちになる。

これは、従来の治安強化の手法では解決不可能な治安問題を含んだ社会的な大問題ではないでしょうか。

はっきり言って、「少年犯罪対策の強化」を主要政策の一つとして当選した、松沢成文神奈川県知事たちは、自分たちから少年犯罪をつくり出して少年たちを傷つけていると言っても過言では無い。

この愚かさに多くの人が気づき、そしてこの愚かな状況を収束の方向に向かわせて欲しいと願うばかりです。

神奈川県民として、他県にまでこのような犯罪者*2状況を製造するファシストが県のトップであることが恥ずかしいです

*1:BL系は除く…何故?

*2:町田の事件はともかく、コンビニでエロ本買った少年や売った店員や店長も犯罪者にされる訳で、マッチポンプの要素が強い…

漏れもヤキが廻ったな…

今更乍ら中古屋やブックオフ桜井智の90年代のヴォーカルアルバムを安く買ってきてMP3プレーヤに突っ込んで、RYDERSの"LIVE AT KCA"と交互に聴いてしまってる
…余りのギャップの激しさに我ながら笑うしかないのだが、これで更に80年代のシオン(SION)のアルバムも探しているのだから、疲れてるのかな
心が、寒い。

男女での性表現規制の差から見えるセクシャリティの扱い(12/4)

id:artane:20051203#1133547859の続き。
大石英司氏のblogのコメント欄で10代のSTDの話をしたら紹介されたblogより。
少女コミック」誌*1での性表現の扱いに付いて男性から見た見解です。

http://blogs.yahoo.co.jp/beatarai/17963886.html

これは現在発売中の少女コミックなんですけど、女子中高生向き雑誌ということは少年誌に例えると少年マガジンあたりでしょうか。
その割には表紙にHが多すぎやしませんか? 数えて5つもあるのですが。
しかも「わーん(>_<)。ドキドキするよー!! だって・・・あたし達・・・この後・・・するんでしょ?」って平気で書いてある。
こんなの少年誌じゃ考えられないぞ。読んでみるとキスシーンは当たり前、H場面なんて「いちご100%」の真中がかわいく見えるほどだ。

ひと昔前のアニメやコミックなら男子学生がH雑誌を持ってきてニヤケているのを「やーね男子って」と言ってたことだろう。なのに今では立場が全く逆になっているようだ。
中一時代や中一コースを年間予約をすると万年筆が貰えた時代が懐かしい・・・

<追記>
少女コミックの中身はどうなっているのか補足しましたので下記をご覧ください。
女子中高生向けのコミックの現状
http://blogs.yahoo.co.jp/beatarai/18169235.html

確かに、現状の一般売りの男性向け雑誌への過剰過ぎるとも言える性表現規制を考えると「男性でも抜けるのではないか」と言う位の奔放な性表現と煽りが並んでいて(゚д゚)ポカーンと一瞬しましたが、気を取り直して少し考察してみましょう。

非常にこれは誤解されやすい問題なんだけど、女性向けの雑誌でエロが許容されているのは何も「女性解放運動」とかの成果ではなく、単に、現状では規制する側が女性のエロに無関心か、規制する価値を見出せないだけではないか*2と思うのです。

つまりは、男性の性は大きな金になるけど、女性の性は金にならない。と言うより、性情報に限定した場合、抑圧する側は男性に対しては抑圧の価値があると思っているけど、女性に対しては性情報の需要自体が認知されていない=女性は無視されているだけに過ぎないのではないか。と言う事です。

つまり、規制の主体であるフェミナチやマッチョファシストにとって、男性の他人が性欲をかき立てるのは不快であり、不道徳だけど、女性が性欲を持つという事は全く眼中に無い*3のではないかと言うことです。

この事は、非常に悲劇だと思う…

  • 男性の性は抑圧されている
  • 女性の性は無視されている

抑圧と無視、どっちがましかといえば、とりわけ性という問題に付いてのみ言えばどっちもどっちの最悪の状況な訳で。

抑圧されて妙な「常識」を身につけてしまうのと、無視されて「常識」を得られないのとどっちがましか…妙な「常識」で無鉄砲に行動する事が半ば奨励されているのと「常識」がなくて無鉄砲に行動するのとどっちがまずいかといえば、どっちも同じくらいまずいし、どっちも主体的にリスク管理できるだけの情報を持ってないという意味で非常に不幸であると私は結論付けたいと思います。

この状況でいい思いをするのは「性の存在」に不愉快さを感じる人だけで、大抵の人にとってはいい訳がなく、リスク管理ができない人が市中に溢れる…その結果として、性感染症(性病)が蔓延し、「できちゃった結婚」なんてのが一般的になったり青少年の中絶が減らなかったりする訳で、これが性を規制したい側の意志や認識に基づく状況だと考えると、彼らは日本をめちゃくちゃにしていると言っても過言ではないと思います。

*1:固有名詞

*2:下世話ないい方をすれば、男性が自慰をするのは不愉快だけど、女性が自慰をするとは思ってもいないのではないか…後を参照

*3:傍証として、80年代も末になるまで、女性が性に付いて公の場で語る機会は先鋭的な人を除いて殆どなかったし、90年代のバブルに至っても男性の性欲と同等に女性の性欲が語られていたとは到底思えないと言う状況があること、70年代の学生運動の中ですら「女性に性欲があるかないか」と言うのは立派な政治討論の課題になっていた。と言う二つを挙げておきます