月よお前が悪いから…のアーカイブ

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男女での性表現規制の差から見えるセクシャリティの扱い(12/4)

id:artane:20051203#1133547859の続き。
大石英司氏のblogのコメント欄で10代のSTDの話をしたら紹介されたblogより。
少女コミック」誌*1での性表現の扱いに付いて男性から見た見解です。

http://blogs.yahoo.co.jp/beatarai/17963886.html

これは現在発売中の少女コミックなんですけど、女子中高生向き雑誌ということは少年誌に例えると少年マガジンあたりでしょうか。
その割には表紙にHが多すぎやしませんか? 数えて5つもあるのですが。
しかも「わーん(>_<)。ドキドキするよー!! だって・・・あたし達・・・この後・・・するんでしょ?」って平気で書いてある。
こんなの少年誌じゃ考えられないぞ。読んでみるとキスシーンは当たり前、H場面なんて「いちご100%」の真中がかわいく見えるほどだ。

ひと昔前のアニメやコミックなら男子学生がH雑誌を持ってきてニヤケているのを「やーね男子って」と言ってたことだろう。なのに今では立場が全く逆になっているようだ。
中一時代や中一コースを年間予約をすると万年筆が貰えた時代が懐かしい・・・

<追記>
少女コミックの中身はどうなっているのか補足しましたので下記をご覧ください。
女子中高生向けのコミックの現状
http://blogs.yahoo.co.jp/beatarai/18169235.html

確かに、現状の一般売りの男性向け雑誌への過剰過ぎるとも言える性表現規制を考えると「男性でも抜けるのではないか」と言う位の奔放な性表現と煽りが並んでいて(゚д゚)ポカーンと一瞬しましたが、気を取り直して少し考察してみましょう。

非常にこれは誤解されやすい問題なんだけど、女性向けの雑誌でエロが許容されているのは何も「女性解放運動」とかの成果ではなく、単に、現状では規制する側が女性のエロに無関心か、規制する価値を見出せないだけではないか*2と思うのです。

つまりは、男性の性は大きな金になるけど、女性の性は金にならない。と言うより、性情報に限定した場合、抑圧する側は男性に対しては抑圧の価値があると思っているけど、女性に対しては性情報の需要自体が認知されていない=女性は無視されているだけに過ぎないのではないか。と言う事です。

つまり、規制の主体であるフェミナチやマッチョファシストにとって、男性の他人が性欲をかき立てるのは不快であり、不道徳だけど、女性が性欲を持つという事は全く眼中に無い*3のではないかと言うことです。

この事は、非常に悲劇だと思う…

  • 男性の性は抑圧されている
  • 女性の性は無視されている

抑圧と無視、どっちがましかといえば、とりわけ性という問題に付いてのみ言えばどっちもどっちの最悪の状況な訳で。

抑圧されて妙な「常識」を身につけてしまうのと、無視されて「常識」を得られないのとどっちがましか…妙な「常識」で無鉄砲に行動する事が半ば奨励されているのと「常識」がなくて無鉄砲に行動するのとどっちがまずいかといえば、どっちも同じくらいまずいし、どっちも主体的にリスク管理できるだけの情報を持ってないという意味で非常に不幸であると私は結論付けたいと思います。

この状況でいい思いをするのは「性の存在」に不愉快さを感じる人だけで、大抵の人にとってはいい訳がなく、リスク管理ができない人が市中に溢れる…その結果として、性感染症(性病)が蔓延し、「できちゃった結婚」なんてのが一般的になったり青少年の中絶が減らなかったりする訳で、これが性を規制したい側の意志や認識に基づく状況だと考えると、彼らは日本をめちゃくちゃにしていると言っても過言ではないと思います。

*1:固有名詞

*2:下世話ないい方をすれば、男性が自慰をするのは不愉快だけど、女性が自慰をするとは思ってもいないのではないか…後を参照

*3:傍証として、80年代も末になるまで、女性が性に付いて公の場で語る機会は先鋭的な人を除いて殆どなかったし、90年代のバブルに至っても男性の性欲と同等に女性の性欲が語られていたとは到底思えないと言う状況があること、70年代の学生運動の中ですら「女性に性欲があるかないか」と言うのは立派な政治討論の課題になっていた。と言う二つを挙げておきます