月よお前が悪いから…のアーカイブ

http://d.hatena.ne.jp/artane/ がサーバの関係で消えるようなので、アーカイブします。基本更新しません。

心の武器がある限り、あいつらに負けない。

18日辺野古沖で海保に対峙する人々

昨日( http://d.hatena.ne.jp/artane/20070517#HONBUN )の続きです。
とにかく、昨日の日記を書き上げた後、沖縄・辺野古では、海に海上保安庁海上自衛隊・陸に機動隊・空に陸海自衛隊のヘリと言う「万全の」*1反対派への包囲体制が敷かれた中、未明から日没まで海上保安庁が「警護」するなか防衛施設庁の調査機材が置かれていきました。
まだ、この「事前調査」は始まったばかりです。今日も、明日も、「事前調査」は続きます。

http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20070518k0000e010034000c.html

普天間移設:現況調査に本格着手 海自が支援

那覇防衛施設局は18日未明から、米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の移設先であるキャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市)海域で、現況調査に本格着手した。
防衛省の「部内業務支援」として海上自衛隊のダイバーが参加し、調査機器を設置した。72年の沖縄本土復帰後初の大規模な在沖米軍基地建設に自衛隊が関与するのは初めて。施設局の調査船を反対の市民団体のカヌーなどが取り囲み、一部では調査船にしがみつくなどして作業が一時中断した。

海自のダイバーは、沖縄近海に停泊している掃海母艦「ぶんご」(基準排水量5700トン)から未明にボートで調査海域に派遣され、夜明け前には作業を終えた。防衛省幹部は「防衛施設庁の指示により、海底での設置作業に入った。海自は(夜間の)海底での作業に慣れている」と述べた。

施設局による調査は海保の巡視船艇5隻や多数のゴムボートが警戒する中、夜明け後の午前6時ごろから始まった。海底のサンゴの産卵とその後の状況を調べる。
設置予定の機材は、サンゴ産卵の着床板39カ所▽潮流などの海象調査装置29カ所▽動物の移動をキャッチするソナー30カ所▽ビデオカメラ14カ所−−の計112カ所で、自衛隊が設置したのはこれらの一部。サンゴが6月の小潮の時に産卵するため、着床板の設置を最優先にする方針。

一方、反対派の市民団体メンバーらはカヌーや小型ボート十数隻で調査船に接近し、海に飛び込んだ。辺野古漁港では17日午後9時から約100人が座り込み、抗議の声を上げた。

基地建設など、環境に影響する可能性がある事業の実施手順は本来、環境影響評価(アセスメント)を実施し、住民や自治体の首長から意見を聴取して事業計画を作る。しかし、沖縄県が政府が進める移設案(沿岸案)の修正を求めているため、防衛省は環境アセスの手続きを始めても県の協力が得られないと判断。調査海域を沿岸案より広い海域に設定して、得られたデータを環境アセスに組み入れる方針。
市民団体はこうした手法についても「環境アセス法違反」と批判している。

【三森輝久】

毎日新聞 2007年5月18日 11時17分 (最終更新時間 5月18日 11時51分)

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http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2007051800275

007/05/18-11:19
海自協力で現況調査着手=普天間移設先の沿岸−反発高まり緊迫化・防衛施設庁

那覇防衛施設局は18日午前、米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)のキャンプ・シュワブ(名護市)沿岸部への移設に先立つ周辺海域の現況調査に着手した。
環境影響評価(アセスメント)に先立つ調査だが、海上自衛隊に協力を求めており、沖合では潜水隊員数10人が海中に入り、サンゴの産卵調査に使用する機材などを海底に設置した
自衛隊の参加に対し、移設反対住民の反発が高まっており、同日午前5時半すぎから、約80人が近くの辺野古漁港周辺で集会を開いた。
「ヘリ基地反対協議会」の共同代表を務める安次富浩さんは自衛隊が私たちに銃口を向けるということは民主主義を破壊することだ」と、政府の方針を厳しく非難した
同7時前には、12そうのカヌーや小型船などが出航し、沖合で調査船に対して抗議活動を開始。海上保安庁のボートや小型船がカヌーを取り囲み、「君たちが行っていることは違法行動だ」などと再三にわたり警告を繰り返すなど、海上には緊迫した空気が流れた。

くどくなりますが、これは、まだ「はじまり」に過ぎません。これからが日本各所で長く散発的に続くであろう「たたかい」の一つ…しかし、それは後世の歴史家は「日本が変わった一日」と記すであろう…が始まったのです。

*1:勿論、皮肉です

辺野古@05/18:パンドラの箱は開いた。私兵にされた沖縄派遣自衛隊員の胸中は?

妙なタイトルを付けましたが。
以下の幾つかの引用を、まずお読みください。

http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/feature/news/20070518k0000e010073000c.html

久間防衛相:「調査終わるまで協力」沖縄の海自支援で

米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)をキャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市)に移設するための海域現況調査に対し、海上自衛隊が18日から支援活動に乗り出したことについて、久間章生防衛相は18日午前の閣議後の記者会見で「調査が終わるまで2〜4日間ほど協力する」と述べた。調査終了時まで出動が続く見通しを示したものだ。

掃海母艦「ぶんご」の潜水要員が海中調査機器を設置するほか、反対派に妨害された場合は防御活動も行うとみられる。久間氏は「(民間委託業者だけでは)短期間で目標達成できない。(海自が)調査できるのは当然。妨害自体が異常事態だ。何が起きるか分からない」と強調した。

これに関連して、塩崎恭久官房長官は同日の記者会見で「作業を適切に支援するために海自が活用されている。防衛省防衛施設庁の相互協力が行われていると理解している」と述べ、海自の支援に問題はないとの認識を示した。【田所柳子】

毎日新聞 2007年5月18日 13時02分

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宮城ヤスヒロ氏の「なごなぐ雑記」( http://miyagi.no-blog.jp/nago/ )の05/17付けの記述より。

http://miyagi.no-blog.jp/nago/2007/05/post_55e7.html

2007.05.17
自衛隊派兵を大臣が表明(大臣発言追記)

(末尾に大臣発言の追記あり

今まで、否定も肯定もしなかった、沖縄・名護市への新基地建設に係る「自衛隊派兵」について、防衛省の久間大臣が、国会で答弁した。
(中略)
追記:日付が変わった0:10 (Artane.注:05/18 00:10のこと)

参議院のインターネット中継より、久間防衛大臣の発言を書き起こしました。
赤字は私*1のコメント


参議院外交防衛委員会(5月17日)

質問者=民主党白眞勲(ハクシンクン)
答弁者=久間防衛大臣

(中略)
Q “ぶんご”が協力するということでよろしいですね?

久間 “ぶんご”が協力するということではなく、防衛省あげて取り組んでおりますから、あらゆる機関が協力することはやぶさかではない。

Q 海域現況調査については協力するんでしょうか?

久間 海域現況調査も、キャンプ・シュワブのこれから先の建設のための、前提として必要な調査ですから、これに対しても防衛省をあげて協力していこうと思っております。

(中略)

《混乱をとにかく強調したいらしい》

Q 混乱がないように万全の態勢をとるということは、“ぶんご”が海洋調査に直接関ることはないということですか?

久間 それもないとは言い切れないと思います。とにかく、民間に委託しているから民間がやるわけですけど、そういう人たちが、こういことはないかも知れませんけども、妨害する人から拘束され、それで調査ができないとか、そういうことがあってはいかんわけですから、そうでなくても、拘束までいかんとしても調査が妨害されて調査ができない場合ですとか、いろんなことがあるわけですから、そうなった場合には、われわれとしては、調査が可能なような状態にどうやったらもっていけるか、そういうようなことを念頭においておりますけれども、とにかく混乱のないようにしたいと思っております。

《反対派がテロリストがするように調査員を“拘束”する事態を想定している。海上自衛隊はカヌーに乗った日本国民をテロリストに見立てて派兵されている。自衛隊員よ、こんなバカげた命令に従うことはない、そのまま帰りなさい》

Q 民間だけですと、拘束とか妨害とかで調査が円滑にできなくなる可能性があるから、“ぶんご”の隊員が変わりに調査するということも、可能性としては視野にいれているということか?

久間 それを否定するわけではありません。

Q その場合の法的根拠はどうなっているか?

久間 先ほども言いましたように、他の省庁からの依頼を受けて、省庁間協力でできることもあるわけですから、ましてや、防衛省の組織がやるために、防衛省としては万全の態勢をとりうる訳ですから、私は現在の法制の中で可能だと思っております。

防衛大臣は思っているだけで自衛隊員動員の法的根拠を明らかにできない》

Q 民間が仕事をしているところに、防衛省の艦艇が入って、国が仕事をするということの法的根拠はいかがでしょうか?

久間 民間を排除してやるということは考えておりません。

Q つまり共同でやるということなんですか?

久間 必ずしもそういうわけではありませんで、民間でやれない場合もありうるから、やれない場合には、そういうこともありうるということであります。

Q 民間がやらない場合にやるということですね?

久間 やらない場合と言うよりも、やれない場合ととっていただいたほうがいいかと思います。

Q 民間の100がゼロになった場合にやるということですか。100が50になった場合に50をやるということですか?

久間 100が70しかやれないという場合にあとの30はほったらかしていいかというとそうはいきませんので、それはやる場合があるというわけであります。

(後略)

まず、上に引用した毎日新聞の記事と、この国会答弁から読み取れることが幾つかあります。

  1. 今回の「支援活動」は、海上自衛隊だけではなく陸上自衛隊航空自衛隊の動員も念頭に置かれている
  2. 最初から、「ぶんご」に搭乗している海自隊員のダイバーを「出動」させるつもりだった
  3. これらの自衛隊員が「反対派による妨害」を受けた場合、自衛隊員が「防御行動」=「反撃行動」を取ることを前提にしている。即ち、戦場での交戦法規(ROE)に相当する「きまり」が、動員される自衛隊員に指示されている。何故ならば、自衛隊に限らず、あらゆる統率の取れた国家軍隊は交戦法規なくして相手を攻撃出来ないからである。交戦法規なくして反撃すれば、それは軍事に関する法を犯した重罪に値する行為として裁かれるからである。つまりは、自衛隊を統率する所の防衛省が「反撃を可能とする条件及び、指揮系統」(=交戦法規、ROE)について細かく規定してはじめて、自衛隊員は「防御行動」が可能になるのです。
  4. そして、何よりも、今回の自衛隊の出動については、法的根拠が明らかにされていない。あくまでも防衛大臣及び政府・内閣の独断によるものであると云うことです。

さて、ここまで来れば、今回の状況が何を意味するか、昨日書いた http://d.hatena.ne.jp/artane/20070517#1179335163 *2で危惧していた事、例えば

しかし、ここ一週間、いきなり海上自衛隊の、それも、自衛隊員のダイバーを運ぶ船を動員してまでして米軍基地建設のための「作業支援」の準備が実際にはじまっているということが、殆んど報道のないままに着々と進行しています。

掃海母艦に乗っているのがダイバーだけなのか、それ以外の然るべき武装した部隊も同乗しているのかが、全くわからない状況です。

(実際に横須賀の海自艦隊司令部に問い合わせても、掃海母艦の作戦内容は秘密とされて教えてくれないようです)

我々の知らないうちに、辺野古で基地建設を止めさせるために体を張ってきたおじい・おばあ・そして多くの支援の人たちの生命が危険に晒され始めています。

辺野古の沖に海上自衛隊掃海母艦を出してきたということは、基地を建設しようとする政治家たちが、今まで基地建設を止めてきた人々の命を顧みずに何がなんでも基地を建設しようと決意した。と私はつたない自分の政治や軍事についての知識から考えます。

の、最低でも赤くした方に付いてそうは外れていなかったように思いますし、空色にした所や http://d.hatena.ne.jp/artane/20070517#1179375341 で指摘した

わざわざ海上自衛隊のダイバー隊員を運用する船を出して行うと言う名目で辺野古に向かったのみならず、掃海部隊の最高司令官や複数の幕僚が乗船した形で行うということは、基地問題の「進展」を望む政府が直々に命令した、非常に重要度の高い軍事作戦であると考える方が妥当ではないかと思うのです。*7

と言う予測もあたるのではないかと畏れているのですが…
このような動きは、安倍総理や久間防衛大臣などによる自衛隊の非合法な私物化であり、内閣が自衛隊海上保安庁を使って行う内乱行為のはじまりですらあります。このような行為を職務として行わねばならない、一兵卒の自衛官たちに私は同情すらおぼえます*3

とにかく、これは、「くに」が「日本にいるすべてのひとびと」に牙を向けていく、長い道のりの「はじまり」に過ぎません。
しかし、「はじまり」であるからこそ、我々はこれが長い「たたかい」となる事を肝に銘じて、いまやれることを無理をせずにやっていくしかないのです。
無理をしなければならないときは、望まなくても何時か・それもこれから何回もくるのですから(^^;、「その時」に備えて力を蓄えつつ耳と眼を研ぎ澄まして粘り強く行っていかねばならないと思います。

我々は、今を生きるだけでなく、五年先・十年先・百年先と言った、未来に対する責任も負っている。


この「未来への責任」を肝に銘じつつ、気長にまったりと・しかし、へこたれずにいきましょう。

*1:blog著者の

*2:初出は幾つかのMLへの投稿でしたが

*3:これは、異論があるのは承知で敢えて書くことです。しかし、カンボジアゴラン高原イラクなどの紛争地帯への介入の為に外国に行かされることなど頭になく、純粋に「日本にいる人や財産を守りたい」から自衛隊に行った人は一定数いる訳で、実際、色々辛いことを外国でやらされたのか…例えば襲撃を受け、応戦する羽目になり、その事を秘密にせねばならなかったり…とか。近日中に電子化しますが、今年始めくらいの「実話GON!ナックルズ」誌に興味深い記事がありまして、曰く、北海道の部隊からサマーワに小隊長として行った方が、イラク国内をコンボイを組んで移動中に、こともあろうに米軍から銃撃を受け、やむなく応戦を指示、結果として数名の米兵を殺害し、当然この事は箝口令が敷かれましたが、しかし、帰国してからもこの小隊長氏は「人を殺してしまった」と自分を責めつづけ、結局首つり自殺した。と言う内容であったのですが、このような事例を考えるとなおさら、下々の隊員が上巻や政治家の野心という化け物に振り回されて望まずに、ただただ生き残るために命令を実行したり、命令によって危機に陥った自分たちの身を守るために生きている目の前の人間にたいして武器の引き金を引く。と言う場合の辛さは我々には想像も付かない位の厳しい物であろうと思うのですが…

辺野古関連ミニリンク集(随時建設中)作りました。

こちらです。
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これから、随時追加して行きますので、乞うご期待:-)