月よお前が悪いから…のアーカイブ

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自民党改憲案

昨日あった自民党大会で、大々的に改憲案が発表されて、早速http://www.jimin.jp/jimin/shin_kenpou/shiryou/pdf/051122_a.pdf
(PDFです!!)で改憲案全文と現行憲法との比較が掲示されていますが、9条云々以外にも色々とまずい所があります。

例えば、

(以下、青太字は改憲案で変更・もしくは新規に出来た所)

  • 第12条
    1. この憲法が国民に保証する自由及び権利は、国民の不断の努力によって保持しなければならない。国民はこれを濫用してはならないのであって、自由には責任及び義務が伴うことを自覚しつつ、公益及び、公の秩序に反しないように自由を享受し、権利を行使する義務を負う。
  • 第13条
    1. すべて国民は個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に関する国民の権利については、公益及び、公の秩序に反しない限り、立法その他国政の上で最大の尊重を必要とする。
  • 第21条
    1. 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、何人に対しても保証する
    2. 検閲は、これをしてはならない。*1
  • 第29条
    1. 財産権は、侵してはならない。
    2. 財産権は公の利益及び公の秩序に適合するように法律で定める。この場合において、知的財産権は国民の知的想像力の向上及び活力のある社会の実現に留意しなければならない。*3
    3. 私有財産は、適切な補償の下に、公共のために用いることが出来る

疲れたので、ひとまずは、ここまで(^^;

この改憲案の特徴は、12,13条に代表されるように、個人の権利の上に「公益」と「公の秩序」が存在し、「個人」はそれに奉仕する物としてデザインされていることにあります(12,13条)

じゃぁ、誰が「公益」や「公の秩序」を規定するのかというと…規定する主体が書かれていない
つまりは、時の権力者の胸先三寸によって、権利の範囲が規定できるような恣意的な運用が「柔軟に」出来るような格好になっている

実際、9条に自衛軍を明記すると言う、今一番HOTな部分よりも、こっちの方がデカい問題では無いかと思います。

自衛軍云々よりも、権力者に対する歯止めを「公益及び公の秩序」と言う形で無力化して、一般人の持つ人権を制限出来ることの方が、私は恐ろしい。
自衛軍であろうと自衛隊であろうと、協力を拒否することが出来ない。とか、「公益及び公の秩序」に反する通信の秘密や表現の自由は存在しないと言う解釈をしたほうが、この改憲案は読みやすい。

われわれは、「環境権」などの美麗字句に騙されてはならない。この改憲案は日本政府が人々の内面まで支配することを、オブラートにくるんで宣言した物です。
注意して読むべし。(続く?)

*1:「通信の秘密は、これを侵してはならない」と言う一文があったが、第19条の二ー2に移動されている

*2:憲法では、「公共の福祉に反しない限り」と入る

*3:原文をそのまま解釈すると、JASRACのようなシステムや現行の著作権法の複製権の制限事項はアウト。になりそうなものですが、多分、逆の解釈を固定するために知的財産権を特記している可能性が高いです