月よお前が悪いから…のアーカイブ

http://d.hatena.ne.jp/artane/ がサーバの関係で消えるようなので、アーカイブします。基本更新しません。

世界は、急速に変わりつつある(9/19)

http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060919k0000m030032000c.html

カストロ議長:イラン大統領らと面会 機関紙が報じる

ハバナ庭田学】キューバ共産党機関紙グランマ(電子版)は17日、病気療養中のカストロ議長が、非同盟諸国首脳会議に出席したイランのアフマディネジャド大統領、インドのシン首相、マレーシアのアブドラ首相らと個別に面会したと報じた。

16日夜のアフマディネジャド大統領との面会では、イランの核エネルギー開発の権利などについて話し合ったというが、詳細は報じられていない。ベネズエラチャベス大統領とボリビアのモラレス大統領は一緒にカストロ議長に面会した。

毎日新聞 2006年9月18日 18時29分

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http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060919k0000m030033000c.html

イラン大統領ベネズエラ大統領と経済協力協定に調印

ハバナ庭田学】AP通信によると、イランのアフマディネジャド大統領はベネズエラを17日訪問し、同国のチャベス大統領と20億ドルの基金設立を含む34項目の経済協力協定に調印した。チャベス大統領がイランの核開発を擁護するなど、反米の両首脳は親密な関係ぶりをアピールした。

協定で両国は、石油、建設、製造業などの分野で共同会社を設立し、経済協力関係を強化することにした。

チャベス大統領は核兵器保有する米国とその同盟国は帝国主義だ。(核開発中止を)要求する前に核兵器廃棄の手本を示さなければならない」とイランの核開発を支持した。

毎日新聞 2006年9月18日 18時32分

さて、ベタ記事扱いのこの二つですが、以下に示す世界情勢を考えると感慨深い物があります。

  1. ここ数年、中南米アメリカの傀儡政権(「親米」と呼ばれる)が次々と崩壊し、アメリカに依存しない独自路線(「反米」と呼ばれる)を標榜する政権が勃興し、石油を武器とするベネズエラボリビアに代表されるように自国資源を外交上の武器としてアメリカの干渉をハネ除けつづけ、国家間の連携を深めている
  2. 中東では、ドルの衰退により、主な外貨獲得手段である石油資源をドル建てでは無く、ユーロやルーブルで売却する動きが急速に進んでいる*1
  3. ロシア以外の旧ソ連圏=CIS諸国はこの間アメリカによる「民主化」工作の結果、「民主的な親米政権」が乱立してロシアの求心力は低下したが、ウスベキスタンで「親米化工作」が鎮圧された事や「民主的な政権」の不正行為が民衆の反発を招いた事など、そして元々はイスラム国家であったがソ連に吸収された地域での、アフガン「報復戦争」以降の反米感情の高まりなどを背景にロシアや中国といった欧米以外の大国との連携が深まっている。
  4. アジア圏も例外では無く、90年代後半のマレーシアのマハティール政権に代表される「アメリカの影響力を排除したアジア」を追求する東南アジア国家間の動きが盛んになり、今や東南アジア諸国の多数がこの動きを確固とするために中国を中心核として集まり始めており、ロシアや中国との政経軍での繋がりが、アメリカとのそれよりも強くなって来ている。このことは南アジアも例外では無く、インドやパキスタンと中国・ロシアの繋がりはつよくなり、そこに何とかしてアメリカが影響力を残すために必死になっている*2
  5. アフリカは、冷戦の際に政争の具となり、東西陣営が影響力を行使しつづけたが、冷戦終結後影響力が殆ど無くなり、豊富な天然資源を巡っての民族内での争い(大体が部族間の抗争や政府と反政府勢力の内線の形をとっている)が絶えず、いつ終結するのかメドすら立たない場合が未だ多い。

これらの状況、特にロシアと中南米、中東が進んでいる道を考えるとアメリカを始めとする欧米諸国の国際影響力の減退と中国・ロシアの国勢影響力の向上は、ここ半世紀を考えるのならば避けられない道でしょう。

そういう中で、日本はあくまでも「アメリカに付いていけばまちがいない」と言いつづけるのでしょうか…取り返しの付かない所まで追い込まれてから間違っていたと思っても遅いのですが…(;´Д`)

*1:イラク戦争は、最終的にはフセイン政権が石油をユーロ建てでしか売らない方針を出した事が開戦の原因であると言う分析すらありますので…

*2:インドの場合は労働力などでの経済的な繋がりがアメリカと強いので、米中露の三方外交を行っていると考えた方がいいのかもしれませんが