イスラエル、ガザ侵攻で一方的停戦
侵攻止めますよ。と言ったとは言っても、ガザへのイスラエル軍の進駐は止めず・抵抗運動が発生した場合の戦闘再開のエクスキューズはたくさん仕掛けてある。
2005年以前の状況に戻るとは言っても、それはガザを締め上げて抵抗運動を封じ込めようと必死であった時期の占領体制に戻すというだけで、ガザの人々の暮らしも生命も何ら保証されない物に過ぎないインチキでしかない。
ハマスがパレスチナ民衆の支持を受けてガザでは支配権を得たのも、イスラエルに対して軟弱で住民の権利保証すら切り売りしてきて腐敗を謳歌してきたファタハ政府の姿勢が見捨てられたことが最大の理由であって、その中の権力闘争でハマスが主導権を取ったに過ぎない。
逆に言えば、ガザの窮状を打開するだけの力を持った人々であればハマスではなく軍事力・政治力を誇るヒズボラや弱小の在エジプトイスラム同胞団であってもいいのであって、ハマスが支持されてるのはまさに密輸や交渉力、そして大衆を戦闘的にまとめ上げる力があったというだけです。
ハマスの支配力をイスラエルが崩せたとして、その後起き得るのはレジスタンス活動が散発的に起きてそれをハマスなり別の組織なりが再びまとめ上げる…場合によってはガザ内部で自発的なレジスタンス連合が出来る…だけです。パレスチナ・アラブ民衆の怒りは増幅して、いずれソドムとゴモラの街を焼き尽くしたような炎となってイスラエルのシオニストコミュニティとその協力者たちを焼き尽くしてしまう。
そうなる前に、そういう極めて悲惨な結末が訪れる前になんとかイスラエル側にこれまでの罪を直視して対アラブ融和路線に転換してもらわないと彼らにとっても悲劇だと思うのですが、世の中そんなにうまくはいかない。
とは言え、既にアメリカの国力の急激な衰退が始まっていると考えてるので、今後アメリカが反イスラエルの雄であるイランに手出しすることは政治経済上不可能でしょう。イスラエルが一方的に手出しをしてアメリカが限定的に軍事支援を行ったとすればその先に待っているのはアメリカ-イスラエルへの圧倒的な経済制裁と政治の切り崩しであって、今までのようにイスラエルのやんちゃが全面的に是認され、あまつさえ兵器の供与まで行う現状*1がそう長く続く訳でもない。