ネトウヨ-自民党-アメリカ右派(5-1)
※d:id:artane:20090522:1242925432 の続きです※
この時期、日本政府・小泉政権は過剰な迄にアメリカに追随していました。ある意味小泉政権とアメリカのブッシュJr.政権は蜜月関係にあったと見えます。
その根底には政治の検証を放棄した大多数のマスコミ報道があって、時にそれは政治からの露骨な干渉が見え隠れしていた*1訳ですが、それと車の両輪のようにネットの言説・ネットでの風俗という物が小泉政権を支え、時に反対派を排除する最大のツールとされました。
個々の事件について概観を書いていこうと思います。
「ムネオハウス」騒動
小泉政権と言うのは実はスキャンダルを巧みに利用してあるものは最大限暴露して政敵を潰す道具とし・あるものは隠蔽して政権を維持した部分の大きな、それまでの日本の政権とは若干異質な政権であったと言えます。
その意味でもアメリカとの連携というか非常にアメリカナイズされた恐怖政治が布かれていて、その中で対米追随勢力が他の勢力を叩き潰し権力を掌握すると言う日本らしからぬ・クレムリン張りの政治闘争がマスコミを通じてワイドショー的におもしろおかしく「報道」されていた時期でもありました。
この部分を代表する事件としていくつも挙げられますが、まずは鈴木宗男衆議院議員が汚職をデッチ上げられて国策逮捕された「ムネオハウス」事件を取り上げます*2
この事件は、外務省の親露派に大きな影響力を持ち、外交政策全般への影響力も大きかった鈴木宗男議員がロシアに多大な利権を持ち汚職に手を染めているとして逮捕・起訴された事件であったのですが、立件内容が「やまりん」なる会社との増収賄事件であったにもかかわらず、マスコミで流布されたのはいわゆる北方領土に建てられた鈴木宗男の冠をつけた通称「ムネオハウス」のような鈴木宗男の影響力の行使の下に作られた「ハコモノ」であったり、多くの未確認情報であったりして、それらの大半が実は根拠がないか具体的根拠を著しく歪めて如何にも鈴木議員と外務省ロシアンスクールが悪事に手を染めてるかのように脚色された検察や外務省*3からのリーク情報で根拠希薄であった事があきらかになっていますが、
当時のリークに踊ったのはマスコミだけではなく、ネット社会も同じでした。
当時、鈴木議員のスキャンダルは国会で多く取り上げられ、そのやりとりはニュースを賑わせましたが、それのパロディがネット上にまず流布されました。
それはコラージュ写真であったり国会中継の音声を継ぎはぎしてハウステクノにした物であったりした。
そういう批評がおこなわれているだけの分にはよかったのですが、この批評を援用する形でネット右翼が浸透していった事はいなめません。
当時の「2ちゃんねる」は、この手の健全な批評とそれを「小泉政権に楯突く奴はこうなるぞ。」とおちょくり半分で大衆を恫喝する言説とが混在したカオスな状態であった。
非常に盛り上がった「ムネオハウス」ムーブメントは、しかし、皮肉ではあるのですがこの後に続く「ネット紅衛兵」=ネット右翼による大粛清の惨劇の序章に過ぎませんでした。
この項続きます