月よお前が悪いから…のアーカイブ

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【1】重要なポイントが欠落


コラムには、この問題における重要なポイントが欠落しております。

夜間塾は、少数の生徒を選抜

夜間塾は、少数の生徒を選抜し「都立の進学重点校や私立の中上位校を狙う」(和田中HPの校長コメント)ものです。

・あくまでも受験に特化

コラムでは「できる子を伸ばす試み」と評価していますが、この夜間塾はあくまでも受験に特化した進学塾の授業であり、受験対策につきるものです。それをイコール「できる子を伸ばす」と受け止めるのであれば、受験だけが学力の評価であるという偏見にとらわれていると見られても仕方ありません。

・希望しても参加できない場合も

希望しても夜間塾に参加することができるとはかぎりません。試験があります。また、発案者の校長自身が「学校の授業についていけない生徒にはむしろ負担になる。無理に参加しないで」(朝日新聞記事)と発言しており、あらかじめ一定の成績以下の子どもは排除されています。

●公立校の施設を利用し、業者の費用負担はない

コラムでは「塾へ行けない子への福音」とまで高く評価していますが、なぜ半額で塾ができるのか考えてみましたか?

これについて藤原校長はTV出演して「そりゃ、募集手数料とか場所代がかかりませんからね」と明解に答えていました(「みのもんたの朝ズバッ!」12/11出演。発言は松尾メモによるものです)。

つまり少数の子どもの進学指導の費用を区民が税金で負担するということです。都教委の指摘する、公共性に反するということでもあります。

学校の教員が教材作りなどに協力し、参加生徒の保護者は強制的に運営ボランティアとして送迎などセキュリティ面の協力を行うことになっているので、塾側はこれらの経費も節約することができます。

さらに、今回のこの騒動で、サピックスは何億円という広告料に相当する宣伝を打ったことになります(私だってこれまでサピックスという名前すら知りませんでした)。こうしたことは副次的効果どころか、企業活動としてあらかじめ折り込まれているはずです。

これらの点について、筆者の方は、きちんと情報を集め、かつ検討をなさった上で、コラムを執筆されたのでしょうか。私は大きな疑問を感じます。