月よお前が悪いから…のアーカイブ

http://d.hatena.ne.jp/artane/ がサーバの関係で消えるようなので、アーカイブします。基本更新しません。

島田紳助、逃げ回る

 れいの島田紳助による勝谷誠彦のマネージャへの暴行事件ですが、相変わらずマスコミは紳助擁護どころかしばかれたマネージャをボロカスにいっていて、けったくそわるいです。

http://news.www.infoseek.co.jp/topics/entertainment/yoshimoto.html?d=11gendainet07115907&cat=30&typ=t

傷害容疑で書類送検された紳助はすでにタレント生命を絶たれている (ゲンダイネット)

 傷害容疑で書類送検された島田紳助(48)がますます厳しい状況に追い込まれている。タレント生命、危うしだ。

 当初は今月4日までの10日間の謹慎を経て復帰の予定だった。その4日に大阪府警大淀署が傷害容疑で書類送検。これで状況が一変して紳助本人も所属の吉本興業も当面の間、芸能活動を自粛することを発表した。

 問題はこれを受けたメディアのトンチンカンさである。「自粛延期」とか「復帰は年明けにズレ込みそう」といった大甘報道のオンパレードなのだが、紳助はそんな簡単には復帰できない。

 もっとも引っかかるのが事件の悪質性だ。

「今回、紳助がやったことは女性を監禁して髪をつかんで殴って、さらにツバまで吐きかけた非道な内容です。しかも、当初彼は“平手で一発”といっていたけど、被害者がコブシで4、5発と語るなどウソまでバレてしまった。これだけの事件なのに1、2カ月での復帰はあり得ない」(放送ジャーナリスト)

 この事件で怒っているのは実は番組のスポンサーである。ある外食産業の会社には消費者から紳助の番組のスポンサーになっていることに対する抗議が殺到したといわれ、とんだトバッチリに怒り心頭である。

 紳助のレギュラー番組は8本。収録済みの番組については紳助の出演部分をカットし、今後の収録については代役を立てるなどの形で番組は放送される。どこも“カムバック待ち”の構えなのだが、スポンサーが出演に“待った”をかける可能性が大きい。

 テレビ局にも出演させづらい状況がある。各局は収録日のテロップを入れて放送したが、「なぜ紳助は普段通り出ているのか」という苦情が相次いだというのだ。

「今の状況ではカムバックは早くて来年4月以降でしょう。8本あるレギュラーのうち、紳助がメーン司会の番組がそれまで存続できるかも疑問です」(事情通)

 消長、交代の激しい業界で、紳助の人気タレントとしての道は断たれたといっていい。

【2004年11月8日掲載記事】

 相手が女性だろうと男性だろうと、「社会派タレント」を気取っている人間が他人をボコボコにしておいてたかだか10日間の謹慎で済ませようと言う吉本の大甘さはなんなんだ
…やっさんの暴言*1ですら、一ヶ月は謹慎させていたのに。
 そりゃ、紳助が稼ぎ頭だから甘くなると言う商業的な理屈はわかりますよ。
 でも、この手の暴行事件が紳助の芸の肥しになるわけでもなければ、紳助を天狗にさせるだけでしょうが。*2
 紳助を政界に進出させようという動きも未だあるようだけど、この調子ならば大阪人なめられてますよ。

*1:タクシー運転手に「元を正せばカゴカキやんけ」と罵倒した

*2:やすきよが暴行事件や暴言事件を逆手に取って漫才のネタにしていたのとは大違い

「ひょうきん族」じゃないんだから…(;´Д`)

http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20041112k0000m040149000c.html

新潟中越地震関西テレビ 一時帰宅ボランティア装い同行

 新潟県中越地震で住民が避難している小千谷市塩谷地区の住民が11日に一時帰宅した際、「関西テレビ」(本社・大阪市)のカメラマンらがボランティアを装って同行していた。小千谷市災害対策本部は事前に取材自粛を申し入れていた。市の抗議を受けた同社は同日夕、謝罪し、撮影したテープを放送しないと約束した。

 対策本部や地元住民によると、関西テレビのカメラマンや音声係など3人が午前9時半過ぎ、ボランティアの車に同乗して地区に入った。撮影中のところを警察官が発見し、現場にいた市職員に連絡した。職員から「ボランティアに来たのなら、ボランティアをしろ」と詰め寄られ、カメラマンらは地区から退出する午後3時まで被災者の手伝いをしたという。

 対策本部は記者会見で社名を公表しなかったが、「今後、同様のことがあれば、社名を公表する」としている。

 関西テレビ広報部によると、神戸のボランティア団体に記者ら3人が同行取材した。報道局長が11日夜、小千谷市役所を訪ねて陳謝した。小川誠広報部長は「取材目的でボランティアに登録して現地に入った。市や住民の方に迷惑をかけた」と話している。

 地元紙の「新潟日報」(本社・新潟市)の記者も11日、同地区に入っていたが、対策本部は「取材活動をしていたかどうかは未確認」として抗議を控えたという。同社報道部は毎日新聞の取材に「前日に記者が自転車で入り、待機していた。ボランティアを装って取材するような手法は許されない」とコメントした。
毎日新聞 2004年11月11日 23時20分

 どうでやるならスットンキョウな格好した人間を同行させてコメディータッチにでもすべきだったのでは?

中国原潜、事故の可能性大

 敢えて、同じ時期の二つの新聞記事を比較してみる。

まずは、読売新聞。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20041110ia05.htm

不審潜水艦に防衛庁緊迫…現場は警戒強化中の水域

 沖縄県宮古列島の日本領海に、国籍不明の潜水艦が現れた。5年前の北朝鮮工作船事件に続き、2回目の発令となった10日朝の海上警備行動。付近では、中国の海底探査活動が活発化し、今月5日からは近海で不審な動きを見せる2隻の中国海軍の艦船について、海上自衛隊が監視を続けているさなかに起きた領海侵犯だった。

 「訓練の可能性もあるが、目的がまったく分からない」。中国海軍とみられる潜水艦確認の情報を受け、防衛庁の担当部署には緊迫した空気が漂った。

 10日早朝、沖縄県先島諸島周辺で、海上自衛隊の哨戒機P3Cが、潜水艦を発見。海上警備行動が発令された後も、海自は追尾を続けている。

 海上自衛隊は今月5日から、鹿児島県・種子島の南東315キロの太平洋で、中国海軍の潜水艦救難艦「861」と曳船(えいせん)の2隻の活動を確認して以降、護衛艦「あけぼの」を現場海域に急派していた。さらに、2機のP3C哨戒機が音響探知機(ソノブイ)を多数投下するなどして、24時間体制で監視飛行を続けていた。救難艦の甲板には、潜水艦を引き揚げたりする深海救難艇はなく、「海中で潜水艦が事故を起こしているとは考えにくい」(海自幹部)とし、潜水艦がその周辺海域を航行しているか、訓練を行っている可能性が高いとみていた。

 領海侵犯した国籍不明の潜水艦と、2隻の中国海軍艦艇との関係は今のところ不明だが、海自幹部は「領海侵犯した目的はわからないが、潜水艦が曳船を標的に訓練していた可能性もある」としている。

 不審な潜水艦の航行が確認された沖縄近海では、中国の海洋調査船が日本の排他的経済水域EEZ)内で違法な調査活動を行うケースが急増している。

 海自が確認した中国船による調査活動は、今年に入って32件に上る。このほか、中国が潜水艦の航路を開拓している可能性もあるとして、防衛庁が警戒を強めていた。

          ◇

 領海を含め海洋は「自由航行」が原則だが、領海内を通過する場合には、潜水艦は浮上した上で、国籍を示す旗を掲げなければならないことが、国連海洋法条約で定められている。

 また、領海内では、第三国による訓練や情報収集など一切の軍事活動も禁止されており、今回の潜水艦の行動は、これら一連の条約違反に該当する。
(2004/11/10/14:33 読売新聞 無断転載禁止)

次に毎日新聞

http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/feature/news/20041110k0000e040072000c.html
不審潜水艦:沖縄・先島の領海内潜航 海上警備行動を発令

 沖縄県先島諸島周辺で10日早朝、国籍不明の潜水艦が日本の領海内を潜航しているのを海上自衛隊のP3Cしょう戒機が発見し、大野功統防衛庁長官は午前8時45分、小泉純一郎首相の承認を得て自衛艦隊司令官に対し海上警備行動を発令した。潜水艦は同諸島付近の領海を3時間にわたり航行後、領海外に出たが、引き続きP3Cが追尾している。細田博之官房長官が同日午前の記者会見で発表した。

 防衛庁によると、鹿児島県の海自鹿屋航空基地の対潜しょう戒機が5日午後1時20分ごろ、種子島の南東約340キロの海上で、中国の潜水艦救難艦と潜水艦の曳航船が航行しているのを発見していた。潜水艦が事故を起こして付近で浮上できなくなっている可能性が高いとみられていた。同庁は中国の潜水艦が周辺海域に潜航している可能性があるとみて警戒していた。

 海上警備行動は、海上で人命、財産の保護、治安の維持のため、首相の承認を得て防衛庁長官が命令する自衛隊の行動。自衛隊法82条に規定されている。99年に石川県能登半島沖で北朝鮮の不審船が発見された際、初めて発令され、今回が2例目となる。潜水艦に対する発令は初めて。

 小泉純一郎首相は10日、「遺憾だ。わが国の領海内に国籍不明の潜水艦が入ってくるのはいいことでないのは確かだ」と遺憾の意を表明細田長官は同日の会見で、領海内で発見した潜水艦が中国海軍所属かどうかについて「不明だ。追尾している。(種子島沖の潜水艦救難艦とも)関係があるかどうかは分からない」と語った。

 防衛庁幹部は「不審船を追いかけた初の海上警備行動(99年)の時とは意味が違う。今回は領海内を潜航する潜水艦に対して、毅然とした対応を示した」と話した。
毎日新聞 2004年11月10日 12時18分

 二つの記事を比較してみますが、

 読売の記事は明らかに「中国の脅威」を必要以上に煽動し、中国への恐怖を不要に煽る記事と言えましょう。

 まず、今回の中国潜水艦の問題が救難訓練ならば、日本の領海でやる必要はないし、日本の領海でやれば大きな外交問題になる。
 次に、潜水艦救難船のチームが領海侵犯してまで直進してきたと言うことは明らかに漢級原子力潜水艦に明白なインシデントが生じて早急に乗員救出・可能ならば潜水艦自体を中国領海、もしくは港まで曳航する必要に迫られていると言う事がわかります。*1

 読売の記事は、この状況を無視して、防衛庁の意図的リークに乗せられている。つか、中国の潜水艦の脅威に対抗する手段=新型対潜哨戒機の増加配備と対潜ヘリ空母の配備が不可欠だ。と言う防衛庁の主張に乗せられている。
 もしくは、読売新聞自体が政府の広報紙なのかもしれませんが:-p

*1:潜水艦事故の存在を台湾から通知されて知ったと言う説がありますが、それはまずないでしょう。日米の潜水艦探知網で中国潜水艦が領海に入った事を検知、追跡していて、自衛隊の通信傍受部隊と対潜部隊が共同で事故の事実を確認したと言うあたりが妥当でしょう。

事故の背景に中国潜水艦を仮想敵とする日米訓練の存在?

大石英司氏の日記より抜粋。

http://eiji.txt-nifty.com/diary/2004/11/post_13.html

 何が起こったかと言えば、実は東シナ海で、米海軍と海自が対潜訓練を行っています。今朝の朝日では、米海軍筋として、「小さな訓練」とか言わせていますが、参加部隊から推測して、「小さい」と言い切れるものではありません。
 恐らくその対潜訓練は、中国海軍を念頭にしたものですから、中国海軍としては、当然偵察に艦船を出したということでしょう。本当は、水上艦も出しているはずなんだが、これが、防衛庁は白を切っているのか、何かの事情で、水上艦は出せなかったのか不明です。れいの潜水艦救難艦曳船の進出も何か関係があってのことでしょう。

 となると、漢級潜水艦(と救難挺)の作戦目的は日米の対潜訓練の監視でしょう。
 その過程で何らかのインシデントがあったのではないでしょうか。

島田紳助、逃げ回る

 れいの島田紳助による勝谷誠彦のマネージャへの暴行事件ですが、相変わらずマスコミは紳助擁護どころかしばかれたマネージャをボロカスにいっていて、けったくそわるいです。

http://news.www.infoseek.co.jp/topics/entertainment/yoshimoto.html?d=11gendainet07115907&cat=30&typ=t

傷害容疑で書類送検された紳助はすでにタレント生命を絶たれている (ゲンダイネット)

 傷害容疑で書類送検された島田紳助(48)がますます厳しい状況に追い込まれている。タレント生命、危うしだ。

 当初は今月4日までの10日間の謹慎を経て復帰の予定だった。その4日に大阪府警大淀署が傷害容疑で書類送検。これで状況が一変して紳助本人も所属の吉本興業も当面の間、芸能活動を自粛することを発表した。

 問題はこれを受けたメディアのトンチンカンさである。「自粛延期」とか「復帰は年明けにズレ込みそう」といった大甘報道のオンパレードなのだが、紳助はそんな簡単には復帰できない。

 もっとも引っかかるのが事件の悪質性だ。

「今回、紳助がやったことは女性を監禁して髪をつかんで殴って、さらにツバまで吐きかけた非道な内容です。しかも、当初彼は“平手で一発”といっていたけど、被害者がコブシで4、5発と語るなどウソまでバレてしまった。これだけの事件なのに1、2カ月での復帰はあり得ない」(放送ジャーナリスト)

 この事件で怒っているのは実は番組のスポンサーである。ある外食産業の会社には消費者から紳助の番組のスポンサーになっていることに対する抗議が殺到したといわれ、とんだトバッチリに怒り心頭である。

 紳助のレギュラー番組は8本。収録済みの番組については紳助の出演部分をカットし、今後の収録については代役を立てるなどの形で番組は放送される。どこも“カムバック待ち”の構えなのだが、スポンサーが出演に“待った”をかける可能性が大きい。

 テレビ局にも出演させづらい状況がある。各局は収録日のテロップを入れて放送したが、「なぜ紳助は普段通り出ているのか」という苦情が相次いだというのだ。

「今の状況ではカムバックは早くて来年4月以降でしょう。8本あるレギュラーのうち、紳助がメーン司会の番組がそれまで存続できるかも疑問です」(事情通)

 消長、交代の激しい業界で、紳助の人気タレントとしての道は断たれたといっていい。

【2004年11月8日掲載記事】

 相手が女性だろうと男性だろうと、「社会派タレント」を気取っている人間が他人をボコボコにしておいてたかだか10日間の謹慎で済ませようと言う吉本の大甘さはなんなんだ
…やっさんの暴言*1ですら、一ヶ月は謹慎させていたのに。
 そりゃ、紳助が稼ぎ頭だから甘くなると言う商業的な理屈はわかりますよ。
 でも、この手の暴行事件が紳助の芸の肥しになるわけでもなければ、紳助を天狗にさせるだけでしょうが。*2
 紳助を政界に進出させようという動きも未だあるようだけど、この調子ならば大阪人なめられてますよ。

*1:タクシー運転手に「元を正せばカゴカキやんけ」と罵倒した

*2:やすきよが暴行事件や暴言事件を逆手に取って漫才のネタにしていたのとは大違い

「ひょうきん族」じゃないんだから…(;´Д`)

http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20041112k0000m040149000c.html

新潟中越地震関西テレビ 一時帰宅ボランティア装い同行

 新潟県中越地震で住民が避難している小千谷市塩谷地区の住民が11日に一時帰宅した際、「関西テレビ」(本社・大阪市)のカメラマンらがボランティアを装って同行していた。小千谷市災害対策本部は事前に取材自粛を申し入れていた。市の抗議を受けた同社は同日夕、謝罪し、撮影したテープを放送しないと約束した。

 対策本部や地元住民によると、関西テレビのカメラマンや音声係など3人が午前9時半過ぎ、ボランティアの車に同乗して地区に入った。撮影中のところを警察官が発見し、現場にいた市職員に連絡した。職員から「ボランティアに来たのなら、ボランティアをしろ」と詰め寄られ、カメラマンらは地区から退出する午後3時まで被災者の手伝いをしたという。

 対策本部は記者会見で社名を公表しなかったが、「今後、同様のことがあれば、社名を公表する」としている。

 関西テレビ広報部によると、神戸のボランティア団体に記者ら3人が同行取材した。報道局長が11日夜、小千谷市役所を訪ねて陳謝した。小川誠広報部長は「取材目的でボランティアに登録して現地に入った。市や住民の方に迷惑をかけた」と話している。

 地元紙の「新潟日報」(本社・新潟市)の記者も11日、同地区に入っていたが、対策本部は「取材活動をしていたかどうかは未確認」として抗議を控えたという。同社報道部は毎日新聞の取材に「前日に記者が自転車で入り、待機していた。ボランティアを装って取材するような手法は許されない」とコメントした。
毎日新聞 2004年11月11日 23時20分

 どうでやるならスットンキョウな格好した人間を同行させてコメディータッチにでもすべきだったのでは?

中国原潜、事故の可能性大

 敢えて、同じ時期の二つの新聞記事を比較してみる。

まずは、読売新聞。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20041110ia05.htm

不審潜水艦に防衛庁緊迫…現場は警戒強化中の水域

 沖縄県宮古列島の日本領海に、国籍不明の潜水艦が現れた。5年前の北朝鮮工作船事件に続き、2回目の発令となった10日朝の海上警備行動。付近では、中国の海底探査活動が活発化し、今月5日からは近海で不審な動きを見せる2隻の中国海軍の艦船について、海上自衛隊が監視を続けているさなかに起きた領海侵犯だった。

 「訓練の可能性もあるが、目的がまったく分からない」。中国海軍とみられる潜水艦確認の情報を受け、防衛庁の担当部署には緊迫した空気が漂った。

 10日早朝、沖縄県先島諸島周辺で、海上自衛隊の哨戒機P3Cが、潜水艦を発見。海上警備行動が発令された後も、海自は追尾を続けている。

 海上自衛隊は今月5日から、鹿児島県・種子島の南東315キロの太平洋で、中国海軍の潜水艦救難艦「861」と曳船(えいせん)の2隻の活動を確認して以降、護衛艦「あけぼの」を現場海域に急派していた。さらに、2機のP3C哨戒機が音響探知機(ソノブイ)を多数投下するなどして、24時間体制で監視飛行を続けていた。救難艦の甲板には、潜水艦を引き揚げたりする深海救難艇はなく、「海中で潜水艦が事故を起こしているとは考えにくい」(海自幹部)とし、潜水艦がその周辺海域を航行しているか、訓練を行っている可能性が高いとみていた。

 領海侵犯した国籍不明の潜水艦と、2隻の中国海軍艦艇との関係は今のところ不明だが、海自幹部は「領海侵犯した目的はわからないが、潜水艦が曳船を標的に訓練していた可能性もある」としている。

 不審な潜水艦の航行が確認された沖縄近海では、中国の海洋調査船が日本の排他的経済水域EEZ)内で違法な調査活動を行うケースが急増している。

 海自が確認した中国船による調査活動は、今年に入って32件に上る。このほか、中国が潜水艦の航路を開拓している可能性もあるとして、防衛庁が警戒を強めていた。

          ◇

 領海を含め海洋は「自由航行」が原則だが、領海内を通過する場合には、潜水艦は浮上した上で、国籍を示す旗を掲げなければならないことが、国連海洋法条約で定められている。

 また、領海内では、第三国による訓練や情報収集など一切の軍事活動も禁止されており、今回の潜水艦の行動は、これら一連の条約違反に該当する。
(2004/11/10/14:33 読売新聞 無断転載禁止)

次に毎日新聞

http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/feature/news/20041110k0000e040072000c.html
不審潜水艦:沖縄・先島の領海内潜航 海上警備行動を発令

 沖縄県先島諸島周辺で10日早朝、国籍不明の潜水艦が日本の領海内を潜航しているのを海上自衛隊のP3Cしょう戒機が発見し、大野功統防衛庁長官は午前8時45分、小泉純一郎首相の承認を得て自衛艦隊司令官に対し海上警備行動を発令した。潜水艦は同諸島付近の領海を3時間にわたり航行後、領海外に出たが、引き続きP3Cが追尾している。細田博之官房長官が同日午前の記者会見で発表した。

 防衛庁によると、鹿児島県の海自鹿屋航空基地の対潜しょう戒機が5日午後1時20分ごろ、種子島の南東約340キロの海上で、中国の潜水艦救難艦と潜水艦の曳航船が航行しているのを発見していた。潜水艦が事故を起こして付近で浮上できなくなっている可能性が高いとみられていた。同庁は中国の潜水艦が周辺海域に潜航している可能性があるとみて警戒していた。

 海上警備行動は、海上で人命、財産の保護、治安の維持のため、首相の承認を得て防衛庁長官が命令する自衛隊の行動。自衛隊法82条に規定されている。99年に石川県能登半島沖で北朝鮮の不審船が発見された際、初めて発令され、今回が2例目となる。潜水艦に対する発令は初めて。

 小泉純一郎首相は10日、「遺憾だ。わが国の領海内に国籍不明の潜水艦が入ってくるのはいいことでないのは確かだ」と遺憾の意を表明細田長官は同日の会見で、領海内で発見した潜水艦が中国海軍所属かどうかについて「不明だ。追尾している。(種子島沖の潜水艦救難艦とも)関係があるかどうかは分からない」と語った。

 防衛庁幹部は「不審船を追いかけた初の海上警備行動(99年)の時とは意味が違う。今回は領海内を潜航する潜水艦に対して、毅然とした対応を示した」と話した。
毎日新聞 2004年11月10日 12時18分

 二つの記事を比較してみますが、

 読売の記事は明らかに「中国の脅威」を必要以上に煽動し、中国への恐怖を不要に煽る記事と言えましょう。

 まず、今回の中国潜水艦の問題が救難訓練ならば、日本の領海でやる必要はないし、日本の領海でやれば大きな外交問題になる。
 次に、潜水艦救難船のチームが領海侵犯してまで直進してきたと言うことは明らかに漢級原子力潜水艦に明白なインシデントが生じて早急に乗員救出・可能ならば潜水艦自体を中国領海、もしくは港まで曳航する必要に迫られていると言う事がわかります。*1

 読売の記事は、この状況を無視して、防衛庁の意図的リークに乗せられている。つか、中国の潜水艦の脅威に対抗する手段=新型対潜哨戒機の増加配備と対潜ヘリ空母の配備が不可欠だ。と言う防衛庁の主張に乗せられている。
 もしくは、読売新聞自体が政府の広報紙なのかもしれませんが:-p

*1:潜水艦事故の存在を台湾から通知されて知ったと言う説がありますが、それはまずないでしょう。日米の潜水艦探知網で中国潜水艦が領海に入った事を検知、追跡していて、自衛隊の通信傍受部隊と対潜部隊が共同で事故の事実を確認したと言うあたりが妥当でしょう。

事故の背景に中国潜水艦を仮想敵とする日米訓練の存在?

大石英司氏の日記より抜粋。

http://eiji.txt-nifty.com/diary/2004/11/post_13.html

 何が起こったかと言えば、実は東シナ海で、米海軍と海自が対潜訓練を行っています。今朝の朝日では、米海軍筋として、「小さな訓練」とか言わせていますが、参加部隊から推測して、「小さい」と言い切れるものではありません。
 恐らくその対潜訓練は、中国海軍を念頭にしたものですから、中国海軍としては、当然偵察に艦船を出したということでしょう。本当は、水上艦も出しているはずなんだが、これが、防衛庁は白を切っているのか、何かの事情で、水上艦は出せなかったのか不明です。れいの潜水艦救難艦曳船の進出も何か関係があってのことでしょう。

 となると、漢級潜水艦(と救難挺)の作戦目的は日米の対潜訓練の監視でしょう。
 その過程で何らかのインシデントがあったのではないでしょうか。