発言自体を読み取ってみる(02/07)
文脈として発言を読み取ってみましょう。
主旨では無く、発言の具体的な流れを記録している物について一次情報にあたろうと今から調べたら難儀してしまいました*1ので、仕方がないから「失言」自体と失言直後の「おわび」の経緯から、流れを読み取ってみましょう。
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/archive/news/2007/01/28/20070128ddm002010102000c.html
柳沢厚労相:講演で「女性は産む機械」柳沢伯夫厚生労働相は27日、松江市で開かれた自民党県議の集会で講演した。講演は年金・福祉・医療問題に関するもので、出席者によると、柳沢厚労相は少子化対策に言及する中で「15から50歳の女性の数は決まっている。産む機械、装置の数は決まっているから、機械と言うのは何だけど、あとは一人頭で頑張ってもらうしかないと思う」などと述べたという。
少子化対策にかかわる閣僚による、女性を「出産する機械」とも例える発言だけに、今後、批判を強く受けそうだ。
毎日新聞 2007年1月28日 東京朝刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/archive/news/2007/01/29/20070129dde001010009000c.html
柳沢厚労相:「産む機械」発言 安倍首相「不適切」注意◇柳沢厚労相「深くおわび」
柳沢伯夫厚生労働相は29日、「女性は産む機械」などと発言したことについて、厚労省内で記者団に対し「まったく不適切で女性の方の気持ちを傷つけてしまったことを深くおわびする」と陳謝した。柳沢厚労相はこれに先立ち、安倍晋三首相に電話し、自らの発言について釈明した。塩崎恭久官房長官が29日午前の記者会見で明らかにしたもので、首相は「このような不適切な発言のないように」と厳重に注意した。
柳沢厚労相は塩崎長官にも電話をかけ、自身の発言について「少子化の流れや社会の人口変化を説明する中で、分かりやすいよう例え話を使ったが、それが適切ではなかった」と説明した。記者団には「人口推計の話は難しく、経済に携わってきた者として、類似の例で説明しようとした」などと語った。
柳沢氏はただ、野党からの辞任要求については「(発言後)ただちに適切でないと判断し、表現をやめ、すぐにおわびをした。本意でないことはハッキリしている」と記者団に述べ、拒否。塩崎長官も会見で、「間違いなく不適切だったと私も思うが、直ちに訂正している。結果を政策で出していくことが大事だ」と、辞任の必要はないとの認識を示した。【西田進一郎】
この「失言」の背景にある「考え」と言うものを検討する上で重要そうな部分をピンク色でマークアップしました。
この部分を中心に、「厚生労働大臣・柳沢伯夫」と言う人物の根底にあるものを私なりに考察してみます。
まず言えることは、
と言うあたりが明確であることでしょう。
これに関しては厚生労働省と言う、子供から老人まで、特に労働者の福利厚生や労働条件などを監督する省庁を指導する立場の者として、御粗末きわまりない認識と不勉強さが如実に現れていると考えるのが妥当な線では無いかと思います。
つまり、子供を育てるには金がいる、結婚などして子供を産む行為をするにはおつきあいする相手を探したりデートしたりする時間が男女共に十分になければならないと言う大原則が今、まさに「ワーキングプア」と言う言葉に集約されている非常に劣悪な経済・労働状況によって出来なくなっている人が大多数を占めてしまっている現状が存在すること自体が、柳沢厚労相の視点からは全く欠落しており、
逆にWCEや労働契約法など、劣悪な現状をさらに劣悪にして「カラカラの雑巾」となった労働者たちから更に絞り取って儲けたい財界、特に経団連の利益代表としての視点からしか、今の社会状況が見られないのではないか。と言う非常に強い感触を、厚労相に就任してからの諸政策や発言を鑑みることも含めて見てみた場合、尚更強く感じてしまう訳です。
このような、経済界の視点からしか物が見られない人物を厚労相と言う、日本に住む人々の仕事や健康をケアする省庁のトップにしている事自体が、そもそもの間違い・下手すれば悪意であるのではないかと思うのです。
*1:これは、ニュースサイトの報道が消えるの早いことに由来する訳ですが…