月よお前が悪いから…のアーカイブ

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格付け会社は元から胡散臭かった。

最初に格付け会社と言うものを目にしたのは、バブル崩壊前夜*1、日本企業への投資を促進するとの名目でムーディーズが日本に進出して、業績好調の製造業に対してBCランクを付けて行った光景でした。

その反面、当時は不調であったアメリカ系資本の金融企業や製造業にAランク以上を付けていって、米国金融資本への資金流入を促した。

そうこうしている間に、これまた胡散臭いアドバイザーが日本の企業に対して人材の流動化とかスリム化と後に言われるようなリストラを「提言」、資金の欲しい経営者はその話に乗って人減らしや下請け叩きを激化させ、後に「失われた十年」と言われるようになった間に経営者は短期収益しか目に入らなくなり、株主=金融資本家をどれだけ潤わせるか・その中で自分をどう潤わせるかが経営者の間で競われた。

つまりは、特に製造業で、この十五年間に致命的な根腐れ現象が起きた訳で、その根底にはどう考えても時のアメリカ政府の国策であったとしか考えようのないインチキ極まりない資本格付けによる資金移動のコントロール(と中曽根改革に始まる資本至上主義)があり、そこに非常にアメリカ的な「一人の勝者のために百人の敗者は死んでなお奉仕しないといけない」と言う価値観に染まった経営者の思考の変化があったように思います。
「自己責任論」は多くが資本の責任を免罪する代わりに個人の・資本から搾取される個人の持つ責任を極大化させて搾取されることですらその個人の責任だけに帰結させる物でありますが、それすら「一人の勝者のために百人の敗者は死んでなお奉仕しないといけない」と言う資本の極大化されたわがままに染まっているからこそ疑問視しないでいるだけではないか。

そして、今、サブプライムローン問題をややこしくしているのは、彼ら格付け会社がトリプルAを保証した債権や投資先の多くがジャンク債とも呼ばれる回収見込みのない債権にごくごくわずかの回収確実な「優良」債権をトッピングして、格付け会社は(意図的に)トッピングの所だけ見てこれらのジャンク債もトリプルAである。と見なし格付けしてしまった事にあって、
言い方を変えれば、彼ら格付け会社の欺瞞・インチキさは二十年をかけてやっと証明された訳です。*2我々は、やっと二十年前二十五年前の正常な感覚を取り戻しつつあるのかもしれない。

要は、90年代頭には、日本の製造業の崩壊は約束されていた。日本の製造業を追い落としたかったアメリカの大資本やそれと結託した日米政治家の愚策に我々の大半はハメられていた。*3そういう事です。

この腐敗した・腐敗を約束されていた思想に骨の髄まで洗脳されてしまってる頭の中を、我々はもう一度良く見直す必要があるのではないでしょうか?

*1:若干不正確

*2:まともな感覚を持った人なら格付け会社と言う存在自身の持つ胡散臭さとインチキくささを嗅ぎつけられていたとは思いたいですが

*3:そういう視点で中国の製造業の状況やその行く末を見ると興味深そうですが、未だ見きれていない