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アニメーションにせよゲームにせよ、その制作現場が低賃金・超長時間労働に支えられていることは今でこそ広く知られていて、その中ではアニメーターもプログラマーも声優もその優れた仕事の中身やそれが産み出す「富」に応じた賃金も著作権も得ることが出来ていない。これはゲームやアニメに限らず大半の商業的な芸能活動や創作活動がそうであるのですが。*1
その直上にある制作会社もお金がなくて自転車操業ばかりが目立つ。
このあたりの構図は多くのアニオタの人たちが言及していますが、その一端としてWinnyで流出した制作会社の制作進行の資料。と言う物があります。
これは、「バンブーブレード」と言う2007年にテレビ東京系で深夜にやったアニメの制作予算表ですが、
- 制作会社に対しては半年間・26本の30分アニメの制作に当たって、一本あたり955万程度の予算
- アニメの筋書きを決める構成には一本あたり4万6千円
- 脚本へは一本あたり20万
- アニメの売れ行きを半分以上決めてしまうキャラクターデザイナーには3万8千円
- 中身の大半を決める絵コンテ・演出にはそれぞれ25万
- アニメの中身を描く原画には総予算で120万・一カットあたり2千円
- 原画を線画の動きに清書する動画は一枚210円・それに色を塗ったりする仕上げは一枚190円
それぞれの工程、一日で終わる物ではなく一カットやるのに数日以上かかるのもざらで、特に演出までの上流工程では二ヶ月半程度の一本の制作期間につきっきりになるのでまったく割にあっていない。