後者の記事について少し要点を引用しておきます
「猥褻な日本マンガ」+「創作物をEメールで送付」で20年の収監2009年6月19日
David Kravets電子メールを介してわいせつな性的空想をやり取りするのは、米国では罪に当たり、合衆国憲法修正第1条による言論の自由の保障が適用されない、という内容の米連邦控訴裁判所の決定が15日(米国時間)に下った。決定に際しては判事の1人が強く反対しており、おそらく最高裁判所に持ち込まれることになるだろう。
連邦第4巡回控訴裁判所は、バージニア州の男性、Dwight Whorley被告の再審請求を10対1で棄却した。この刑事裁判において同被告が有罪判決を下された罪状のうち2つは、米国の裁判史において初めてのものだった。1つは、わいせつな日本のマンガの所持、もう1つは、ポルノ的な創作物を執筆し、それを電子メールで送信したことだ。
連邦第4巡回控訴裁判所のRoger Gregory判事(下の写真)は、今回の判決に関して、「個人の考えへの政府の規制」に懸念を示しており、最高裁がこの事件を取り上げて決定を覆すよう主張している。
同判事は、「個人的な空想を、その内容に同意している他の成人に対して私的に通信したという”被害者のいない犯罪”に関して有罪にする」ことに関して異議を唱えている。
(中略)
さらに驚くべきことに、検察は、既存の別の法令についてもWhorley被告を罪に問うた。これは「(陪審員が判断するところの)わいせつで、みだらで、好色で汚らわしい書籍、冊子、図画、映画フィルム、書類、文書、手稿、印刷物など、品性を欠いたあらゆる品目」の所持を違法とするものだ。Whorley被告の場合は、児童の絡む性的な空想を記述し、それをインターネット上の同好の士に電子メールで配布したことが、この法律に違反しているとされた。なおWhorley被告の場合は小児性愛が問題になったが、この法律は本来、すべてのわいせつ物に適用される。
3人の判事による委員会の昨年12月の判決では、マンガと電子メールの件は2対1で有罪とされた(PDFファイル)が、Gregory判事はこれに反対した(PDFファイル)。今月15日には、所属裁判官全員による投票でWhorley被告の再審請求が棄却されたが、Gregory判事は持論をさらに展開して声を上げている。