月よお前が悪いから…のアーカイブ

http://d.hatena.ne.jp/artane/ がサーバの関係で消えるようなので、アーカイブします。基本更新しません。

補追

id:eirene:20060918 での記述によると、ベネディクト教皇の「失言」が発生した講演は、全文を読解すると実際には「ジハード」を巡る歴史的経緯についての言及をしているだけなのにもかかわらず、
それが自分の「ジハード」観(但し、これについては明確に伝えられていない)と混同されてひろまったためにムスリムの反発を招いたと言う構図に落ち着く様ですが
…それにしても十字軍と「ジハード」に関してベネディクト教皇はどう考えているのか、率直な気持ちを(異教徒の反発を恐れずに)大衆のわかりやすい場で言及することが、たぶん、この問題のこじれを(単純な謝罪よりも)一番四以下たちで解決する方法になるのではないかと思いますが…

世界は、急速に変わりつつある(9/19)

http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060919k0000m030032000c.html

カストロ議長:イラン大統領らと面会 機関紙が報じる

ハバナ庭田学】キューバ共産党機関紙グランマ(電子版)は17日、病気療養中のカストロ議長が、非同盟諸国首脳会議に出席したイランのアフマディネジャド大統領、インドのシン首相、マレーシアのアブドラ首相らと個別に面会したと報じた。

16日夜のアフマディネジャド大統領との面会では、イランの核エネルギー開発の権利などについて話し合ったというが、詳細は報じられていない。ベネズエラチャベス大統領とボリビアのモラレス大統領は一緒にカストロ議長に面会した。

毎日新聞 2006年9月18日 18時29分

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http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060919k0000m030033000c.html

イラン大統領ベネズエラ大統領と経済協力協定に調印

ハバナ庭田学】AP通信によると、イランのアフマディネジャド大統領はベネズエラを17日訪問し、同国のチャベス大統領と20億ドルの基金設立を含む34項目の経済協力協定に調印した。チャベス大統領がイランの核開発を擁護するなど、反米の両首脳は親密な関係ぶりをアピールした。

協定で両国は、石油、建設、製造業などの分野で共同会社を設立し、経済協力関係を強化することにした。

チャベス大統領は核兵器保有する米国とその同盟国は帝国主義だ。(核開発中止を)要求する前に核兵器廃棄の手本を示さなければならない」とイランの核開発を支持した。

毎日新聞 2006年9月18日 18時32分

さて、ベタ記事扱いのこの二つですが、以下に示す世界情勢を考えると感慨深い物があります。

  1. ここ数年、中南米アメリカの傀儡政権(「親米」と呼ばれる)が次々と崩壊し、アメリカに依存しない独自路線(「反米」と呼ばれる)を標榜する政権が勃興し、石油を武器とするベネズエラボリビアに代表されるように自国資源を外交上の武器としてアメリカの干渉をハネ除けつづけ、国家間の連携を深めている
  2. 中東では、ドルの衰退により、主な外貨獲得手段である石油資源をドル建てでは無く、ユーロやルーブルで売却する動きが急速に進んでいる*1
  3. ロシア以外の旧ソ連圏=CIS諸国はこの間アメリカによる「民主化」工作の結果、「民主的な親米政権」が乱立してロシアの求心力は低下したが、ウスベキスタンで「親米化工作」が鎮圧された事や「民主的な政権」の不正行為が民衆の反発を招いた事など、そして元々はイスラム国家であったがソ連に吸収された地域での、アフガン「報復戦争」以降の反米感情の高まりなどを背景にロシアや中国といった欧米以外の大国との連携が深まっている。
  4. アジア圏も例外では無く、90年代後半のマレーシアのマハティール政権に代表される「アメリカの影響力を排除したアジア」を追求する東南アジア国家間の動きが盛んになり、今や東南アジア諸国の多数がこの動きを確固とするために中国を中心核として集まり始めており、ロシアや中国との政経軍での繋がりが、アメリカとのそれよりも強くなって来ている。このことは南アジアも例外では無く、インドやパキスタンと中国・ロシアの繋がりはつよくなり、そこに何とかしてアメリカが影響力を残すために必死になっている*2
  5. アフリカは、冷戦の際に政争の具となり、東西陣営が影響力を行使しつづけたが、冷戦終結後影響力が殆ど無くなり、豊富な天然資源を巡っての民族内での争い(大体が部族間の抗争や政府と反政府勢力の内線の形をとっている)が絶えず、いつ終結するのかメドすら立たない場合が未だ多い。

これらの状況、特にロシアと中南米、中東が進んでいる道を考えるとアメリカを始めとする欧米諸国の国際影響力の減退と中国・ロシアの国勢影響力の向上は、ここ半世紀を考えるのならば避けられない道でしょう。

そういう中で、日本はあくまでも「アメリカに付いていけばまちがいない」と言いつづけるのでしょうか…取り返しの付かない所まで追い込まれてから間違っていたと思っても遅いのですが…(;´Д`)

*1:イラク戦争は、最終的にはフセイン政権が石油をユーロ建てでしか売らない方針を出した事が開戦の原因であると言う分析すらありますので…

*2:インドの場合は労働力などでの経済的な繋がりがアメリカと強いので、米中露の三方外交を行っていると考えた方がいいのかもしれませんが

約一ヶ月振りヽ(´ー`)ノ

暑さで体壊していたら一ヶ月近く経っていました(^_^;やっと涼しくなりましたね(^_^;
色々と書きたいネタはあったけど、ここで書くには論考の上に構成を考えて文を作るパワーと言うか瞬発力がいるので、大石英司氏のblog *1のコメント欄とかスラッシュドット日本*2で無駄弾撃っていましたorz
本当はアチラで書いていたネタでこちらで書いた方が良かったんじゃない?と言うネタは沢山あったのですが(;´Д`)

遅ればせながら。id:matsunaga氏ご退院おめでとうございます

松永氏については21世紀になってオウムでのホーリーネームと戸籍名を公然と名乗っていた当時とアルファブロガー騒動の時と両方お会いしているにも拘らず他人と誤認してしまったりとか*1、彼には迷惑かけっぱなしで…

この間、五月末に都内の某病院に見舞いに行って病状や元いた教団に対する思いなどをプライベートなレベルで色々と聞いているのですが、その感じからすると、彼が「オウムと呼ばれる集団」に戻る可能性はまずないな。と言うのが実感です。*2
まぁ、その後こちらがゴタゴタしたりして結局再度見舞いに行くつもりが行けないままにまぁ、退院となった訳で(^_^;…今度、呑みましょう(^_^;安く上がる所で(^_^;

*1: 自分の恥晒すために記事は削除していません…てけとーに探してください

*2:字面だけではわからない部分はあります…言葉の口調とか抑揚とかそういう感じから読み取っていますが…既に彼はオウムという集団全体に見切りを付けている

さて、連休が終わったら

自民党総裁を巡る茶番劇が盛りあがり、安倍総裁→臨時国会で「偉大なるお父様」安倍ジョンイル総理大臣の成立となりそうですが…*1
敢えて絶望的な要素を並べますが、基本的には小泉内閣が取り巻き官僚への政策の丸投げと「サプライズ」と呼ばれるマスコミや広告代理店をフルに使った話題づくり、そして公明党との選挙協力による、創価学会の強力な組織票の取り込みによって成り立っていたのを踏襲するでしょう。

確かに、安倍ジョンイル氏は自分以外の「敵」を作ってそこに大衆の目を向けさせる事によって権力を維持する性格が強い上に、強権的に自分の思想や史観や道徳観を大衆に押しつける、極めてファシスト的な人物ですが、しかし、それは小泉氏も同様であったのではないかと。

さて、そこで問題なのは安倍氏の政策構想は勝共連合統一協会の掲げる政治理念と酷似していて、それを大急ぎで法制化しようとしていることでは無いかと思います。

例えば、性教育ジェンダーに関する政治理念を比較してみましょう。

自民党のプロジェクトページは http://www.jimin.jp/jimin/info/gender/jender.html 。イラストやイメージでの図示が多いので理念は直接読んでください。
自民党の答申: http://www.jimin.jp/jimin/seisaku/2005/pdf/seisaku-017.pdf
以下、この「理念」と人間関係が象徴的に出ている自民党のニュースを示します。

http://www.jimin.jp/jimin/daily/05_05/26/170526a.shtml

デイリー
【平成17年 5月26日】
■ 「過激な性教育ジェンダーフリー教育を考えるシンポジウム」開催
「過激な性教育ジェンダーフリー教育を考えるシンポジウム」が26日、党本部で開かれ、教育の実態や思想的背景などについて意見交換が行われた。わが党所属国会議員、地方議員や一般参加者など約500人が集まった。
パネリストは、「過激な性教育ジェンダーフリー教育に関する実態調査プロジェクトチーム」座長を務める安倍晋三幹事長代理、同事務局長の山谷えり子参院議員、この問題に詳しい高崎経済大学助教授の八木秀次氏、東京都議会議員古賀俊昭氏、元東京都立学校経営アドバイザーの鷲野一之氏の5名。安倍座長は、「男女共同参画社会で女性がのびのびと能力を発揮することは大切だが、結婚や家族の価値を認めないジェンダーフリーは文化の破壊につながる」とし、「自民党民主党の大きな違いは、民主党ジェンダーフリーを推進しているということだ」と述べ、家族の価値観を守るわが党との姿勢を明確に打ち出した。パネリストからは、「男女共同参画基本法の精神は大切だが、それを拡大解釈して特殊な思想が教育現場に持ち込まれている」など、と懸念を表明する声が相次いだ。
また、実際に学校で使われた性教育人形や副読本などの展示会が開かれ、「こんなものを子どもたちに見せていたのか」と、過激な内容に参加者は驚いていた。

さて、こういう動きに対して統一協会世界日報社はどう捉えているかというと、

http://www.worldtimes.co.jp/book/zyenda/main3.html

緊急特集号 教育問題シリーズ? 男女共同参画社会基本法 「抜本的見直しを急げ!」

  ⇒ジェンダーフリー特集ページ
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定価300円(税込み)B5判・60頁(送料=76円)

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株式会社 世界日報社 販売局
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ジェンダーフリーと過激な性教育
 「基本法」に“暴走のDNA”が埋め込まれている
  自民党シンポで安倍幹事長代理「過激な性教育は人格破壊行為だ」
  ・全国で展開される過激な性教育ジェンダーフリー教育の実態

ジェンダーフリーとの闘い
 「過激な性教育」実態と克服
  ・子供を唯物的思考に染める教育内容/「命の大切さ、親の慈愛で伝えたい」
  ・保護者・教育長には「分娩シーン」カット/「出産ビデオ」で気分悪くなった生徒たち
  ・「快楽の性」称賛する小中副読本/吹田市教委は「配布前提に検討中」

ジェンダー」概念盛り込みに躍起−「基本法」検討小委員会
  ・国会欺く発言繰り返す 平成10年議事録、自民党も問題視
  ・国の中枢で謀略会議 八木秀次高崎経済大学助教
  ・男女共同参画基本法検討小委 /「暴走のDNA」埋め込み画策、審議会制度の問題点露わ
  ・第4回男女共同参画基本法検討小委員会議事録要旨

基本法」の根底に家庭破壊思想
 上智大学名誉教授 渡部昇一氏に聞く

基本法」検討小委、第5回議事録を紛失
 ずさんな管理明るみに、本紙の指摘で初めて気付く

内閣府男女共同参画局が情報操作か
 公聴会案内を一部に流す
  「基本計画」策定のため今月下旬から地方開催/遅れる詳細公表参加者を選別?

ジェンダーフリー派、駆け込み投稿訴え
 男女参画基本計画、「反対派の意見が多い」と危機感
  ・内閣府が情報リークか

矛盾した概念のごり押し
 男女共同参画基本計画「公聴会
  ・「男女の通念」の医療を力説/“ジェンダー基本法”に欠陥
  ・「基本法と計画が乖離」の声−共同参画「公聴会」/ジェンダーにも批判相次ぐ

元凶は「ジェンダー」の乱用
 より過激になった基本計画

男女共同参画 はき違え是正
 細田官房長官が言明−参院予算委
  ・新計画策定でヒアリング
千葉県議会が請願を採択
 “ジェンダーフリー教育”の禁止

男女共同参画に必要な性差認識
 特性生かす教育こそ時代の要請
  ・「らしさ」求められる職場増大 ジェンダーフリーは時代に逆行

ジェンダーフリー推進派がバッシング・シンポ
 「不況の責任転嫁」と大沢氏
  ・「家族に干渉が問題」の声封殺「論理」のすり買えも
メディア批評 「新聞」から
 「ジェンダーフリー」の応援に乗り出した朝日、行き過ぎた例を「誤解」の一言で誤魔化し
ビューポイントから 北欧文化協会理事長 武田龍夫
 補い協力し合う男女の幸福/「第三の性」を批判する/差異と差別を混同した倒錯

  ・社説から
  ・データを読む

まず、世界日報社とは統一協会の新聞部門であり、そこで安倍氏山谷えり子*2を中心とする自民党の教育「改革」チームの取り組みが大々的に取り上げられる事自体が状況を説明しきっているのではないかと言う感触を持ってしまうのですが、それはさておき、
安倍氏を中心とする自民党主流派の「過激な性教育」と言う、性という物への視点の微妙な歪みかたが、統一協会のそれと非常に酷似している…逆に統一協会が建てたプランを基に自民党は動いているのでは無いかという疑惑すら感じるのであり、それは他の事象を巡ること…愛国心など…についても同じである。と言う事は安倍内閣がどういう方向性を持つかということを見る上で逃せない所だと思います。

所で、統一協会は軍事政権時代の韓国を拠点にし、自民党タカ派に食い込むことで組織を維持してきましたが、最近になって韓国でカルトとして暴れすぎたとして、韓国国内の政治からも排除され始めて北朝鮮アメリカと日本に政治拠点を持つ格好になっているのですが、統一協会安倍氏に付いているのだとすると、安倍氏がとみに煽る「拉致問題」と言う物はとんだ茶番劇では無いのか
…政治が崩壊しつつあるときに良く使われる方法として仮想敵を作って、大衆の敵対心や差別心を煽り、仮想敵との仮想の問題に大衆を釘付けにする事によって本当に解決すべき問題を解決せずに先のばししてしまうと言う事があり、その手法は大概にして問題を抉らせる物ででありますが、まさに、今行われていることは拉致問題嫌韓・嫌中といった目くらましによって日本が抱えている本当の問題…階級格差の深化やアメリカとの密着のしすぎによってアメリカの衰退の影響を受け始めているにも拘らず別の政策方針を提示できないこと、そして、「アメリカ流成果主義」を多用しすぎて「すぐに金にならない」基礎研究などが見放されてしまっている…を解決すること無く維持して、日本自体を潰そうとしていることではないのかと思いますが…

このような絶望的な状況で我々は何をすべきか、ただ黙って一票出していればいいのか?それともウヨだサヨだなどと喧嘩して自分が優位に立ったかの如き幻想に浸っていていいのか?ネットで、街で、学校や職場で自分の言葉で自分が抱えている社会との軋轢と軋轢をどうしたらいいのか語り始めるべき時期が来ているのでは無いのか…などと思うのですが…

*1:ぎりぎりで新体制になった公明党が裏切る可能性はあるか?

*2:山谷氏は、過去に何度も統一協会から支援を受けるかわりに統一協会に政治的便宜をはかっている「勝共議員」であると指摘を受けている

カトリックは異教徒との和解を捨てるのか?

教皇であったヨハネ・パウロ2世は異教徒・特にムスリムとの和解や世界的な戦争の停止や貧困を訴えつづけましたが*1、今の教皇であるベネディクト教皇は、そうでもないようでして…(;´Д`)

http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/europe/news/20060918k0000m030092000c.html

ローマ法王:聖戦批判で正式に謝罪表明 公の場の演説で

【ローマ海保真人】ローマ法王ベネディクト16世は17日、「聖戦」批判発言がイスラム社会の反発を招いている問題で初めて公の場で演説し、「一部の発言がイスラム教徒から侮辱的だと受け止められ、いくつかの国で反発があったことを非常に申し訳なく思う」と自ら謝罪した。法王は16日、法王庁バチカン)の声明を通じて遺憾の意を表明していたが、直接謝罪を求めるイスラム社会に配慮し、踏み込んだ謝罪の表現で応えた。

法王はローマ郊外カステル・ガンドルフォの離宮で営まれた「日曜祈りの儀」で信徒を前に演説し、冒頭、ドイツの大学で12日に行った演説に触れた。14世紀のビザンチン帝国皇帝がイスラム教の預言者ムハンマドを批判した言葉を引用した点について法王は「中世の原典からの引用であり、私の考えを表したものではない」と語った。演説は諸宗教・文化間の相互尊重に基づく誠実な対話を目指したものだったとして「真意を理解してほしい」と訴えた。

16日のバチカン声明にイスラム社会は必ずしも満足していなかった。エジプト最大のイスラム原理主義組織ムスリム同胞団のハビブ幹部は「法王は重大な過ちを犯したのであり、過ちは直接的な謝罪なくして除去されない」と語っていた。ロイター通信によると、ハビブ幹部は17日の法王演説を評価しつつも「明確な謝罪の水準に達していない」と不満を表明した。

バチカンと法王は法王自身の謝罪により、速やかな幕引きを期待しているが、パレスチナ自治区ではキリスト教会への放火が相次いでおり、キリスト教関係者の間ではイスラム社会の反発や不満が長引く事態を懸念する声も出ている。

■12日の法王発言の要旨は以下の通り。

ビザンチン帝国のマヌエル2世パレオロゴス皇帝が1391年にペルシャ人と交わした対話録を読んだ。その中で皇帝はジハード(聖戦)に言及していた。

皇帝は「(イスラム教の預言者ムハンマドが新しくもたらしたものを見せてみよ。彼が説く信仰を剣で広めたような邪悪と残酷さだけだ」と語った。

皇帝はなぜ暴力で信仰を広めることが非理性的かについて「暴力は神や精神の本質と相いれない」と説明した。さらに、「神は血を喜ばず、非理性的な行為は神の本質に反する。信仰は肉体ではなく、精神に宿るものだ。信仰に導くものは誰であれ、暴力や脅しによるのではなく、適切に論じることが求められる」とも語っている。

対話録の編集者は「ギリシャ哲学に通じた皇帝は理性的でない行為が神の本質に反することを強調している。だが、イスラム教は神が絶対的に超越した存在と説く。神の意思は我々の合理の範ちゅうさえをも超えている」と観察している。

毎日新聞 2006年9月17日 21時30分 (最終更新時間 9月18日 1時10分)

ベネディクト教皇ムスリムイスラム教徒の)の中で聖戦=「ジハード」と言う考え方が出来、成長していったかと言う歴史的な経緯に無知か、それとも敢えて無視しているようにしか思えません。

「ジハード」とは、ィエルサレムを巡ってのヨーロッパからの十字軍による侵略とイスラム側の攻防の中で出来て成長していった概念であり、イスラムは基本的には異教徒に対してカトリックユダヤ教よりは寛容である*2訳で、
その概念がイスラエルというファシスト国家がムスリムにとっても聖地であるィエルサレムを含む形でそこに定住していた人々を追い出すのみならず四回に渡る中東戦争などの中で軍事力を使って侵略的な形で領土を拡張し、そこに住むパレスチナの民を蹂躙したり、シリア・レバノンなどへの侵略行為を行いながら維持されて続けているという戦後史の中で復活した物であるのです。

そういう状況下での膠着状態の中では、アメリカがイラクに侵略し、事実上の無政府状態の中で「闘争の為の闘争」としてジハードと言う言葉が位置づけられ、無差別自爆攻撃が行われる状況やパレスチナイスラエル周辺で「過激派」が同じような状態に陥るのは歴史的・近代史的な必然ではないかと思うのですが。

この事から見えてくるベネディクト教皇像と言うのは、非常にイノセントでカトリックの外の世界について無知で無頓着な人間*3と言う感じになり、バチカンと言う欧米政治の中で特異的な権威である存在をまとめるには不的確な人物に見えるのですが…どうなんでしょうね?

*1:彼の実績で評価していないのは、AIDSを始めとする性感染症の世界的な蔓延とカトリック内部自体の性モラルの「崩壊から目を背けて、避妊=コンドームの使用を禁止することを強く押し進めていた事だけです

*2:勿論、宗派によって寛容さは全くちがい、排外的な宗派からどっちでもいいという宗派まで色々ある訳ですが…

*3:そういえば、ナチスに政治的に協力していたと言う疑惑がありましたが、どうなったんでしょうかね…