月よお前が悪いから…のアーカイブ

http://d.hatena.ne.jp/artane/ がサーバの関係で消えるようなので、アーカイブします。基本更新しません。

石原のぶてると山田杉並区長が政治資金を公金で賄わせていた!

石原のぶてる(東京11区)と山田宏杉並区長のパーティ券などを複数の自民党の杉並区会議員及び杉並区議会議長が区の政務調査費を用いて購入していた事を公文書から突き止めた人が区に住民監査を求めるもどうも上手く行っていないようで、
この事件について今発売中の「フライデー」9/11号やmynewsjapanで報じられています。

http://www.mynewsjapan.com/reports/1098

「区政に関する調査研究に資するため」に利用されるはずの東京・杉並区議会議員の政務調査費(月額上限16万円)が、石原伸晃・前衆院議員や山田宏・杉並区長の政治団体自民党支部主催の政治資金パーティー券購入代に流用されていたことが、政務調査費収支報告書の調査でわかった。
かかわった議員は歴代議長含む20人に及び、政党支部主催の「事業」を含め政治団体支部に流出した公金は、判明しただけで約55万円。
私は区民のひとりとして8月7日、返金を求める住民監査請求を申し立てた。「5つ星」を標榜する杉並区だが、実態は「税金泥棒」の巣窟だ。
【Digest】
◇ “ノブテル券”購入議員一覧その1
◇ “ノブテル券”購入議員一覧その2
自民党選挙決起集会の参加費も税金
山田宏区長後援会にも税金が
◇ 区長のパーティ券を政調費で続々購入
◇ 各地で問題化した政調費のパーティ券購入だが…
◇住民監査請求を申し立てる
(以下、一部を除き有料記事でもあるので省略、リード部分は無料で読めます)

まだ、この記事の本文を読めていませんが*1、お仲間である「作る会」の教科書を採用させるために教育委員会の人事に露骨に介入し、学習塾・サピックス社に中学生の進学指導などを丸投げするために「夜スペ」なる事業をでっち上げて行った「あの」山田区長が仕切っている杉並区であれば、このような不正が起こるのは当然の帰結です。

両方の問題や中田横浜市長汚職問題、松沢神奈川県知事の「改革」などで共通して言えることは、自分や自分の取り巻き・お仲間に都合がいいように行政のルール=条例や法律を書き換え、行政の人事に積極的に介入する事によって「天の声」を合法化した上でその「天の声」の違法性や不当性をとことん隠蔽してわがままをゴリ押ししてしまうことです。

旧世代の利権政治家はあくまでも党内や議会内の既存の権力構造をベースにして非常に遅い速度で緻密に自分の恣意を紛れ込ませる事によってわがままをゴリ押ししていきますが、彼らはルール自体を全面的に一回破壊して、そして自分だけが都合がよくなるようにロクな合意プロセスを経ないで新しいルールを定着させてしまう…当然、そのためには議会の多数派を掌握する必要があるので、例えば中田横浜市長のように議会多数派を彼の利権と汚職に巻き込んでしまって共犯関係を構築するのですが…。

*1:月1,890円は出費的にきついな…

彼ら新自由主義者新保守主義者から見れば、「自分が区や国を動かしているのだから、自分や自分を支えてくれてきた企業が(区や国の事業で)儲けるのは当たり前で、いやしくも我々は区民・国民に選挙で選ばれて全権を委任されたのであるから何が悪い?批判するものや不正であると追及するものは、我々の改革を妨害する抵抗勢力であるのだから、区民や国民になりかわって成敗排除するのもあたりまえだ

彼らの胸の内は実はこんなところなんじゃないかと思います。

中曽根康弘元総理大臣が行った「改革」の多くで汚職が発生し・そして当人もその渦中で利便供与を繰り返し受けたと言われながら政治力を使ってその不正追及を逃れつづけてると言うこの25年余りの日本の歴史を振り返ると、このような悪どいやり口は、実は小泉竹中になって一気に盛り上がったのではなくて、中曽根が戦後教育の見直しとしての臨教審や経済政策の「改革」の為に開設された土光臨調を契機に一般化した「懇談会」「諮問会議」という名の政治の意思決定を立法や政治の*1介在しない所で行った上で、既成事実化してゴリ押しするやりかたにその始まりが見られて、そしてあの時も国鉄民営化と言う形で国労という「抵抗勢力」を葬り去る為にあらゆる手練手管とマスコミへの工作が行われた…当然、この国労バッシングは国労だけではなく多くの労働現場・教育現場で「抵抗勢力」が力をつけることを妨害するための「空気」づくりの側面も強かった…事を振り返ると、どうもこういう考え方になってしまう。

*1:そして、場合によっては当の行政ですら与り知らないような

こういう不正行為で先に金を受け取ったのが石原のぶてるなのか山田区長なのかはわかりませんが、「行政の市場化=行政と公共財産の私物化」で先進的である杉並区であれば当然起こり得たことで、住民監査が通るかといえば和田中問題でも拒否した監査委員会なので厳しいのでしょうが…(;´Д`)

杉並区立和田中「夜スペ」での区からサピックス・藤原前校長への便宜供与の指摘

http://suginami-waku2.net/2008/01/post_79.html
和田中SAPIX夜間塾を礼賛する「天声人語
2008年01月10日●

2008年1月9日付朝日新聞天声人語」は杉並区立和田中学校で行われようとしている大手進学塾サピックス(SAPIX)の夜間塾について。天まで持ち上げていました。

すぐ、朝日新聞社に電話し、私の意見を伝えるとともに意見書をメールと郵送により送付しました。

【1】重要なポイントが欠落


コラムには、この問題における重要なポイントが欠落しております。

夜間塾は、少数の生徒を選抜

夜間塾は、少数の生徒を選抜し「都立の進学重点校や私立の中上位校を狙う」(和田中HPの校長コメント)ものです。

・あくまでも受験に特化

コラムでは「できる子を伸ばす試み」と評価していますが、この夜間塾はあくまでも受験に特化した進学塾の授業であり、受験対策につきるものです。それをイコール「できる子を伸ばす」と受け止めるのであれば、受験だけが学力の評価であるという偏見にとらわれていると見られても仕方ありません。

・希望しても参加できない場合も

希望しても夜間塾に参加することができるとはかぎりません。試験があります。また、発案者の校長自身が「学校の授業についていけない生徒にはむしろ負担になる。無理に参加しないで」(朝日新聞記事)と発言しており、あらかじめ一定の成績以下の子どもは排除されています。

●公立校の施設を利用し、業者の費用負担はない

コラムでは「塾へ行けない子への福音」とまで高く評価していますが、なぜ半額で塾ができるのか考えてみましたか?

これについて藤原校長はTV出演して「そりゃ、募集手数料とか場所代がかかりませんからね」と明解に答えていました(「みのもんたの朝ズバッ!」12/11出演。発言は松尾メモによるものです)。

つまり少数の子どもの進学指導の費用を区民が税金で負担するということです。都教委の指摘する、公共性に反するということでもあります。

学校の教員が教材作りなどに協力し、参加生徒の保護者は強制的に運営ボランティアとして送迎などセキュリティ面の協力を行うことになっているので、塾側はこれらの経費も節約することができます。

さらに、今回のこの騒動で、サピックスは何億円という広告料に相当する宣伝を打ったことになります(私だってこれまでサピックスという名前すら知りませんでした)。こうしたことは副次的効果どころか、企業活動としてあらかじめ折り込まれているはずです。

これらの点について、筆者の方は、きちんと情報を集め、かつ検討をなさった上で、コラムを執筆されたのでしょうか。私は大きな疑問を感じます。

【2】検証をしないまま礼賛

コラムは都教委の指摘した3点の疑義について、きちんとした検証をしないまま、和田中のとりくみを礼賛しています。

区教委は「教育の地方自治分権が求められる今日、残念だ」とコメントしています(朝日新聞記事)が、ここでは、夜間塾についての疑義には反論せず、都と区の関係へと論点のすりかえが行われています。コラムはこのすりかえに見事にのせられているのではないでしょうか。肝心な疑義の中身については、本日 9日の教育委員会でも教育長は「慎重に検討していく」として評価を保留したままです。

また、都教委は、たしかに法的にはこの夜間塾問題を左右する権限はないでしょうが、都民の税金をあずかり学校運営の少なからぬ負担をしている都行政の立場からは、当然にも意見をいう権利があります。ですから、区教委と和田中校長が地方分権の正義の旗をかかげ、都教委がそれを弾圧するかのように図式的にとらえるのは間違っています。

以上大きく2点について、1月9日電話にて朝日新聞社広報部にお伝えした点を整理して再録いたしました。最後に1点付け加えます。

【3】税金が特定の民間企業に使われる

コラムの最後には「国の将来がかかる人づくりで、公と私をことさら分断しても無益だ」と書かれています。しかし、公と私とは厳密に分けられなくてはなりません。それは公のサービスが税によって成り立っているからです。この文章は「役に立つのであれば、税金を特定の企業が使おうがいいじゃないか」と言っているのと同じです。

朝日新聞は税金を私するような態度には、きわめて厳正にこれまで批判してきたと私は思っていましたが、この文章はその対極にあり、残念です。税金のことは今問題にしてないとおっしゃると思いますが、今回のことは、まさに「誰が何を負担するのか」、つまり公共性や公平性という問題であることを肝に銘じていただきたいと思います。

天声人語」は日本全国の世論に多大な影響を与える最も有力なコラムであることは執筆者ご本人がよくご承知のところであると思います。その紙面で、十分な情報収集や研究もなく、報道の表層をなぞったような安易なコラムが書かれたことに、私は大変失望しております。コラムの内容について、執筆者、および朝日新聞が再考して下さるよう要望します。