月よお前が悪いから…のアーカイブ

http://d.hatena.ne.jp/artane/ がサーバの関係で消えるようなので、アーカイブします。基本更新しません。

で、今イスラエルが行ってることは非人道的な真似ではないのか?

結局は、ここに問題の核心は集約される。白燐弾が有罪か無実かというのは、枝葉に過ぎない。いいすぎであれば、軍が非道な事を行うツールとして象徴的であるに過ぎない

追記:次項、http://d.hatena.ne.jp/artane/20090117#1232179275 に呼びかけがあります。長文読むのがかったるい方はお先にお読みください ^^;

イスラエルが非道な真似を行っているのは今に始まった事ではなく、1987年の第一次インティファーダがなんで起きたかを歴史的に追いかければ明白で*1、1967年にあった六日戦争でヨルダン川西岸地域とガザ地区イスラエルが制圧してからこれまでずーっと続いてるイスラエルによるパレスチナ人差別とシリア・レバノンなどの周辺諸国へのテロルを中心とした内政干渉が存在している事からも明らかなように四十年以上の歳月、パレスチナの地でイスラエルは非道な真似を続けてる。

今回のガザ侵攻もハマスのロケット弾攻撃云々というのは言いがかりに近くて、そもそも2006年のパレスチナ自治政府の選挙で親米・親イスラエルファタハが腐敗ぶりに愛想を尽かされてハマスを中心とする政府が出来るか出来ないかでずーっと揉めて内部の武力対立まで起きて来ていて、今回侵攻されたガザ地区では政治的にもハマスが主導権を取っていて、
反米・反イスラエルハマスを倒して傀儡としてのファタハ政権を樹立したいイスラエルはこの間ハマス幹部の暗殺やらガザの武力封鎖やらを停戦協定を無視して継続し続けていたのでガザ民衆もそれを支持するハマスもブチ切れたので停戦期限が終わった後の非公式の和平交渉が破談に終わった後にロケット弾をイスラエルに撃ち込む事になってしまった。
それに対してイスラエル軍*2多量の砲弾と爆弾で「報復」した。あくまでも「防衛である」として。

ここから見えてくるのは、既に多くの人が述べているけど、イスラエルがガザでやってることはナチスドイツがユダヤ人やジプシーや政治犯をゲットーに押し込めて隔離しても手に余ったので大虐殺で解決しようとしたのとまったく同じ事で、ナチスも最初ユダヤ人を第三国に追い出そうとしていたんだけど戦争の進展でにっちもさっちも行かなくなったので一向に言いなりにならずレジスタンスまで現れるようになったゲットーを持て余してあの、大虐殺に至ってしまった訳です。*3
現在、ガザやヨルダン川西岸地域のパレスチナ人が置かれてるのはレジスタンスが頻発した時期のナチスのゲットーであって、今起きているのは自治政府を持て余したイスラエルアメリカによる大虐殺を伴うパレスチナ民衆への服従の強要ではないでしょうか?
故に、今回のガザ侵攻に対して非常に強い国際的な非難が起きている。

米軍にしてもイスラエル軍にしても「防衛」と称してヨソの国や土地に侵攻したり内政干渉を続けてきていて、目標を達成する為には手段を選ばない。*4今回のガザ虐殺でも2004年のファルージャ虐殺でもその論理はまったく変わっていないどころか強化されてるように見えなくもない。

この非道、人でなしの論理を是とするか非とするか。そこが、最大の問題です。
白燐弾を使ったかどうか、それ単体はこれに比べれば瑣末な問題です。
得手勝手な目的や理由で武力を圧倒的に持つ側が相手を無差別非道に手段を選ばず抹殺することの是非で、そこに白燐弾という「抜け道」が許容されて乱用されている事の非道さ自体を糾してる。

それを無視して、単純な兵器のスペック論議や「人道的な兵器などない」と言うメタ詭弁に持ち込む事は非常に、虚しい。

*1:これは、占領下のパレスチナ人が自治を求めて銃や装甲車で武装したイスラエルの治安部隊に石や火炎瓶で立ち向かった最初の組織的な決起であった

*2:綿密に練った戦略で

*3:勿論、民族絶滅のようなオカルト的な動機もあったのでしょうが、時系列で見直すとユダヤ民族絶滅のスローガンが強い力を持ったのはゲットーを持て余してからになる訳で、民族絶滅の大義にはナチス政府の体面を繕う目的が少なからずあったと思う

*4:沖縄戦や旧大日本帝国関東軍満州の地で行った諸々の作戦でもこの部分は共通すると思います