月よお前が悪いから…のアーカイブ

http://d.hatena.ne.jp/artane/ がサーバの関係で消えるようなので、アーカイブします。基本更新しません。

秘密保全法という法律

これが、結構ヤバくて、詳しくはパブコメ募集ページの http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=060130903&Mode=0 に添付されてる文書を読んで欲しいのですが、

  • 「何が重要な秘密」であるか内閣や官庁が一方的に決められて、
  • 何を「言ってはいけないこと」なのかという中身も公表されないので知らずに口を滑らせてしまっただけで懲役十年以下にされ、
  • その秘密に対して国会で議論するときに秘密会が開かれて、
  • その秘密会の中身や「重要な秘密」に対して口を滑らせただけで、国会議員であっても懲役十年以下とされてしまう

と言う、本当に恐ろしいというか、それこそ韓国が軍事政権だった時の「マッコリ法(保安法)」並の、いつ踏んでしまうかわからない「地雷」をばらまくような法律なわけです。*1

例えば、米軍や自衛隊の動向自体が「重要な秘密」とされたばあい、Twitterとかに「帰道に戦闘機が飛んでるのを見た」とか書いたり、同じような中身を電話や立ち話でしたりしただけで逮捕されてしまうし、それが「重要な秘密」とされてることを我々国民が知る事が出来ない。
こういう法律が出来ると、国は何でも秘密にしたがりますから何でも秘密にされちゃうし、どこそこのお店で政府の誰それという有名な政治家や役人が懇談していた。とか、政治家の地元の人が「こういう集まりに顔をだしていた」などと書いただけで逮捕されるようになるでしょう。
そして、取り締まりも暴走してしまう(そして、日本の治安維持法や韓国のマッコリ法がそうであったように)。警察などが「ゼロ・トレランス」に走って立ち話や呑み屋のヨタ話で政府や行政に対する不満を述べただけでも逮捕されたりするようになっていくし、何より「☓☓はこういうことを言ってた」とその人が身の覚えの無いような事について匿名で密告して逮捕されるようになります。これは、韓国でも戦時中の日本でも、ナチス時代のドイツでも相当あった。
ナチスゲシュタポや日本の特高警察は多くの無実の人を連行して拷問し、人々を恐怖で支配していましたが、その大半は警察が自分から捜査したとか見つけたとかではなく、「一市民」の密告で(ゼロ・トレランスなので)とにかく連行。となったケースでした。

生活保護改悪問題での反貧困運動の「決定的敗北」に関して

(Facebookの私のノートから転載)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130531/k10014994441000.html
生活保護法改正案 衆院委員会で可決 5月31日 20時39分

生活保護の受給者の自立支援策や不正受給の罰則を強化することなどを盛り込んだ生活保護法の改正案は、衆議院厚生労働委員会で採決が行われ、一部修正のうえ賛成多数で可決されました。

生活保護法の改正案は、受給者の増加に歯止めをかけようと、受給者が保護から脱却した場合に新たな給付金を支給するなどの自立支援策や、不正受給に対する罰則を「3年以下の懲役または100万円以下の罰金」に引き上げることなどが盛り込まれています。
改正案には当初、生活保護を申請する際に、資産や収入などを記した書類を提出することが定められていましたが、「申請が門前払いされるおそれがある」という指摘を踏まえ、「特別の事情があるときは、提出しなくてもよい」などとする修正が加えられました。
そして、修正された生活保護法の改正案は、31日の衆議院厚生労働委員会で採決が行われ、自民党民主党公明党みんなの党の賛成多数で可決されました。
また、31日の委員会では、仕事と住まいを失った人に対し、家賃を補助する制度を恒久化することなどを盛り込んだ「生活困窮者自立支援法案」が、自民党民主党日本維新の会公明党みんなの党の賛成多数で可決されたほか、与野党がそれぞれ提出していた「子どもの貧困対策を推進するための法案」を委員長提案の形で提出することが決まりました。
これらの法案は来週の衆議院本会議の採決を経て参議院に送られ、今の国会で成立する見通しです。


 今回の敗因は一つに集約できると思う。

 それは、大衆に対して自分と関係があることと思わせることがなかなかできず、社会悪か何かのようなタームでしか取り上げさせることができない所で反対運動側が右往左往してしまったことだと思う。

 生活保護問題の運動の特徴としては、

  1. 非常に当事者主義である。逆に言えば、第三者がどう見てるかに対して極めて無頓着
  2. どうしても人権論に偏るので、大衆の嫌悪を招きやすい

 この二つがあるように思う。

 まず、2.に関して書いておくと、
 日本人に人権意識がないというのは自明のものだし(そもそも義務教育でマトモに教育してないどころか未だ管理教育の様な反人権的な教育が横行してる)、そういう中ではある程度大衆を脅して恐怖に陥れてでも状況への認識を深めさせるよりないのだが、そういう手法を嫌う人ばかりがこの問題の改悪反対では目立つ。
 そして、そういう脅していく手法からしたら、改悪を目論む人々のほうが上手で、「財政危機」やら「(明らかに事実に反する・虚偽の)不正受給の列挙」やらをして、「減らされても仕方がない」と言う空気を醸成することに成功してしまった。

 1.に関して書いておくと、当事者に寄りそいすぎる上にその当事者が非常に利己的であるが為に、この問題がどのくらい波及するかという視点を具体化できず、「誰でも当事者」であるという状況認識を大衆に構築できていないことが大きい。
 真面目な話どの位の議論が当事者と運動の間であるかすら外部からはわからないし、結局当事者に寄り添うことが「浮世離れした運動」と言うイメージを独り歩きさせることにしかなっていない。


 このような事があるのは、反証とできる運動があるからである。
 児童ポルノ・買春禁止法(以下、児ポ法と略す)の改悪反対運動である。
 現状(議員立法にて)衆院に提出されてる改悪案では、

  • 非常に強硬で、諸外国で冤罪や別件逮捕の温床になっている単純所持処罰条項の導入と、
  • 三年後に絵やアニメ等に範囲を拡大することの検討


 が盛り込まれているが、これに対して多くのロビイングや議員への個別の働きかけによって、自民党の法務委員会に差し戻す方向に向かっており、又、民主党から共産党みんなの党まで原則反対(但しみんなの党は一部が賛成かも)と言う状況にある。
 当然、これは、一朝一夕に勝ち取られたものではない。
 この問題は、80年代末期の「わいせつ漫画バッシング」から続いてる問題で、90年代には都道府県の青少年健全育成条例の大幅な改悪(治安立法化)や児ポ法の制定があり、その過程では、事実に著しく反する情報が一部の団体から世界に発信され、「外圧」を根拠に行われた。と言うところがあり、反対運動やそれに携わる人々は左派市民運動の主流派からすら、「女性に対する敵対」「小児性愛者」などと誹謗中傷されつづけてきた。(これは、左派市民派の主流派が、マッキノン・ドウォーキン主義のような反ポルノ思想系のフェミニズムと密接な関係があったからだが)
 その頃(00年代初頭)までは、児ポ法青少年健全育成条例表現規制の問題は、あくまで一部の男性の問題と捉えられてきた。もう少し卑小な言い方をすれば「ロリコンの問題だから自分は関係ない」と言う人が、女性の漫画・小説愛好家ですら大半だった。

 しかし、この問題に反対する人達は、本当に粘り強く・一部のフェミニズムや宗教団体の口汚い誹謗中傷すら耐えぬき、この問題が男性だけの問題ではなく女性の創作物愛好家の権利や女性のセクシャリティをも著しく侵害する物であるのだ。と言う論点を浸透させていった。

 その成果の一つが、10年の東京都の青少年健全育成条例改悪で、完全否決寸前まで持ち込み(最終的に、この改悪を成立させたかった民主党の上層部の一部の圧力で民主党全体が折れた)、検閲的な要素についての改悪の骨抜き化で改悪を押しとどめた事である。
 その背景には、粘り強く問題を浸透させていったことや、非常に経済的リソースが乏しい中で議会等へのロビイングに対する専従者を就けて反対運動(とはいえ、反対運動は一つではなく非常に分散的であるので、一部の運動が専従者を就けているとも言えるが)が頑張ってきた事もあるし、多くはないのかもしれないがけして少なくもない人々の間で問題意識の共有と共に「どうすれば足止めできるか」と言う草の根的な運動論が共有・実践できていた事が大きい。

 このようにしたことで、(今や日本の特徴的な主要産業と化してる)漫画やアニメ等への表現規制の法制化や単純所持の刑罰化は、制定一歩手前の非常に逼迫した状況ながら非常に力強く押し留めている。

 このような「実践」をどの位反貧困運動は出来たのだろうか?
 私は外野で見てきた人間だから書くのは心苦しいが、反貧困運動はあくまで「左翼ムラ」に安住し、そこに居場所があったものだから別に大衆に居場所を求めなくてもよいのではないか。と言う空気が支配してきたのではなかろうか?それこそ、片山さつきがテレビと共謀して行った生保バッシングが表面化してくるまでは、全く安泰であるかのように思って惰眠を貪ってきていたのではないか。
 勿論、個別の問題への対応で一杯一杯なのかもしれないが、それは児ポ法反対運動だって同じようなものだろう。

 そして、当事者と寄り添い続けて浮世離れした感じが抜けてないのも、結局は運動の多くがそういう安住から抜け出してないからではないだろうか?

 運動が掲げる問題意識を大衆化しなければ勝ち目はないし、大衆化するためには見た目が浮世離れしてるかどうかを常にセルフチェックして、浮世離れしてる部分は極力表に出さないようにすることが大事なのではないかと思う。
 その意味で、反貧困運動は運動のありようを考えなおさないといけないのではないかと思う。
 この「敗北」を、運動の主要な人々がどう総括し、今後の運動をどう展開していくか、私は見守りたいと思う。

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この文書は、CC-BY-NDで公開します。

2.出来ること

この法律は、現在の状態で既に相当な問題が出ていますが、自公維はそれを更に悪い方向にしようとしてる訳で、多くの人が反対しています。
今の政治状況的に出来ることというのは限られていてはいますが、自公政権参院までは過半数を取れていないという所が救いでして、この部分に重点を置いたほうがいいでしょう。
何しろ、自公や維新の今までのやり口から見て、議会での議論をオミットして過半数を取ってると強行採決してでも衆院を通すのは確実だと思うので。

【戦略的目標】

a.参院児ポ法改正案を「沖留め」させて、期限切れ廃案を目指す。
b.万が一成立と相成った場合、治安法の性格を薄めるような方向で早期の再改正が出来るように環境づくりする

【具体的戦術】
a-1.各党・各議員に対し、児ポ法の現状の問題点と改正案の問題点を訴え、反対するように要請する。
数を頼った署名に関しては既に時間切れなので、個人個人での「お願い」が主力になります。
a-2.「お願い」は、可能な限り手紙か、選挙の手伝い等で直に会っての物にする。
  電子メールやFAXで「お願い」してしまうと結構評判が悪くてスルーされる危険があるので。
a-3.児ポ法の現状は児童保護を無視した治安法である事を浸透させると同時に、その方向を拡大させて若者の権利を蔑ろにする改正案だという事を議員以外にも、周知・広報していく。
a-4.働きかけるのは、主に民主党・生活の党、その次に社民党共産党みどりの風みんなの党にする。
  緑の党などの議席を持たないリベラル政党も同様。
  維新に関しては個人レベルで改正反対派がいるので、彼らに対し「造反」を促す所に重点を置く。
  自民党公明党は優先度を最も下げる。個人でどれだけいいことを言ったりしてても、党議拘束で簡単に折れてしまうのが最近の自公の議員なので。
a-5.民主党の議員に対し、前回に自公が児ポ法改正案を出した時に民主党が対案で出した「民主党案」を出すよう
  「お願い」すると同時に、野党各党の議員に対して自公案ではなく民主党案に同調するよう「お願い」する。

b-1.もうすぐ参院選であるが、棄権や白票は、自民党公明党・維新への全権委任であり、児ポ法に限らず色々な権利を制限させられることへの全権委任だという事を周知する。
b-2.そして、みんなに投票に行って、自公維以外でベターな候補に入れてもらうキャンペーンを行う
b-3.キャンペーンを展開するという事が重要。選挙で自公維が負ければ、大きな圧力になるし、勝ったとしても、野党が誤った選択をしないような牽制として機能できる。
b-4.時間的・資金的余裕の有る人は、積極的に選挙事務所等に行って、チラシ折りだけでも手伝うようにする。
  時間はないが資金的余裕の有る人は、手紙と一緒に寄付をする。極めて少額でもよい。
  時間もカネも余裕のない人は、手紙を出す。


とりあえず、こんな感じでやっていきましょう。
情勢は悲観的だが全てを悲観するほど最悪でもない。

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1.事情に詳しくない人のためのお復習い的概論

児童ポルノ・買春禁止法(以下児ポ法)と言う法律があります。
児童保護が目的だと思われがちだし、児童保護は一応謳われていますが、実際の運用では児童保護は殆ど放置されています。

何をやってるかと言えば、買春の取締とか、18歳未満の若い人が撮ったセルフヌードの類をネットで公開したりメールで知り合いに送ったりしたのを児童ポルノ製造罪で検挙したりする事が中心です。
児童ポルノ」というと、大抵の人は児童虐待の末に出来たエグい写真とかビデオとか、後はおっさんがお金にものを言わせて女子高生とか女子中学生を買って作ったエグい写真とかビデオだろう。と思いがちですが、そういう物は年々減っています。
で、これは法が出来た99年からずっと争われてるのですが、この法律が実際の所「児童が絡むあらゆるわいせつ物の違法化」という趣旨で作られてるので、漫画やアニメなどで実際の子供とか関係ない架空の作品を何とか児童ポルノにして、検閲体制を構築できないか。と言うことと、「持ってるだけで違法」と言う事にできないか。という動きとそれに対する抵抗の動きがずっとあり、 違法の範囲をむやみやたらに拡げたい人々(このあたりは非常に興味深い動きが色々あるんだが本稿では省く)にとっては非常に歯痒い状況が十五年近く続いて来ました。
彼女ら彼らは政界では主に、民主党の右派と自民党公明党にいます。

で、今回衆院選で、自公が圧倒的多数で政権に復帰し、この児ポ法の「国民の権利を大きく制限するような」改正を一気に通そうとしています。
この改正案は「持ってるだけ」で処罰出来る法で、警察の運用次第ですが、海外のその国では合法である15歳以上18歳未満の裸などの画像のリンクを間違って踏んだだけで処罰できてしまう、冤罪製造機です
既に、自公政権は法案を作り、維新と一緒になって衆院に提出しようとしています。そして、会期末に一気に成立させようと目論んでいる。
最近マスコミで連日報道される児ポ法違反事件の多くは、この法成立を援護する為の意図的リークと睨まれています。

児童ポルノ・買春禁止法再改正阻止のために、今出来

児童ポルノ・買春禁止法再改正阻止のために、今出来ること
2013年5月23日 16:33
※元書き込みは、Facebookの(筆者の)某アカウントのノート。そこから筆者が転載※
※ 2013 05/24 提案a-5追加。

神奈川臨調

今の神奈川県知事・黒岩知事の肝いりではじまった「神奈川臨調」、県立図書館や県営住宅などの県営サービスの全面廃止を軸にした答申を9月に出しました。
結局公共サービスの全面民営化と「市場原理」に基づく「選択と集中」で県の経済を立て直すと言えば聞こえはいいですが、東京・愛知についで財政状況が良い神奈川で「立て直す」「健全化」と言う言葉が適切なのか?と言う問題があります。
当然、議会や県民からの猛反発があって、結局県営住宅の一部や図書館などの廃止になってるものの、これらは直ぐにカネにはならないが県の文化や経済の屋台骨を支える物であるので、民営化が適切だとは思えない。
結局、「神奈川臨調」と言うハイエナ企業の利害関係者が「財政危機」と言う無根拠な話をでっち上げて県の財産をしゃぶろうとしてるに過ぎない…松沢県政での「インベスト神奈川」や武田薬品のP3ラボ建設問題*1等でもお仲間企業に対する便宜供与が目立ちましたが、黒岩知事がこの手のハイエナ企業の傀儡として都合のいい県政を行ってる*2と言う構図になっている。

黒岩知事、松沢前知事よりも多少はマシだと思ったけど、同じくらい酷い。

*1: http://www.biohazards.jp/takeda-kengaku.htm 松沢前知事主導で誘致された

*2:そして、松沢がやった道徳の強制の見直しに関しては手付かず

ヘッダを変えました

都知事選の宇都宮候補の推薦に文面を変えました。


松沢成文が出るようですが、この人が神奈川県知事だった時、道徳の強制と大企業やお仲間企業への便宜供与に腐心して、それまで上手く行ってた神奈川県の政治と経済を滅茶苦茶にしただけでなく多くの「呪い」を神奈川に残してることを忘れてはならないと思います。
彼は、自分のお仲間やスポンサー以外は全て家畜かなんかだと思ってる。そういう人間を都政のトップにしてはならない。
他の候補も、本当の泡沫候補はともかく松沢とあんまし変わらない。余りにサイコパスネオコンが蔓延りすぎてる。
そういう人々と対比する形で、宇都宮けんじ候補を位置づけていきたいと思います。